大友美有紀 17年5月7日放送
「女の一生」アガサ・クリスティー 37歳
ミステリーの女王、アガサ・クリスティー。
デビューは30歳。2作目、3作も順調に売れ始め、
娘と金融業の夫と広い邸宅に住み、ゴルフをし、
秘書を雇い、犬を飼い、順風満帆な生活を送っていた。
けれど幸せは長く続かない。アガサの母が死去。
その後始末でうつ状態になっていた時に、
夫に離婚を切り出される。結婚生活は破綻。
娘と秘書の3人でカナリア諸島に向かった。
母の死後、書く楽しさがなくなっていた。
この時がわたしにとってアマチュアから
プロへ転じた瞬間であった。
プロの重荷をわたしは身につけた。
それは書きたくない時にも書くこと、
あまり気に入ってないものでも書くこと、
そして特によく書けていないものでも書くこと
アガサ37歳。生活のために書かなくてならなかった。
おかげで私たちは、あれだけの作品を楽しむことができている。