田中真輝 17年5月14日放送
ブシマツムラ
明日5月15日は、沖縄が日本に復帰した日。
東京オリンピックで正式種目に採用された「空手」。
その起源とも言われる琉球空手、草創期の偉人に、
松村宗棍(まつむらそうこん)という人物がいる。
「ブシマツムラ」と呼ばれ
世の名声を欲しいままにした武術家松村には、
こんなエピソードが残されている。
ある時、王の命を受けて、
猛牛と戦うことになった松村は、
毎日、黒装束に鉄の扇を持って牛舎に通い、
猛り狂う猛牛の頭にその扇を打ち下ろし続けた。
松村への恐怖を植え付けられた
猛牛は、戦いの当日、
彼の姿を見るなり
恐怖の叫びとともに逃げ去ったという。
戦うことなく勝利を収める。
武術だけではなく智術にも長けた人物だからこそ、
偉人となりえたことを表す痛快なエピソードである。