Joe Shlabotnik
相田みつを トイレ
「にんげんだもの」などの作品で知られる書家・詩人、相田みつを。
彼の作品には、なぜか、トイレでよく出会う。
飲食店のトイレの壁にかけられた日めくりカレンダーを
見たことがある人は多いのではないだろうか。
実は、彼の作品が初めて飾られたのも、喫茶店のトイレだった。
周囲の人々は「いくらなんでもトイレは屈辱的だ」と眉を顰め、
店の主人に、作品を外してもらうよう主張した。
しかし、みつをは、毅然としてこう言った。
トイレは禅僧のように自分の内面と向き合える修行の場所。
わたしの字は、そんな場所にこそふさわしい。
トイレこそ、自分の書が最も輝ける場。
そんな思いで書かれたからこそ、
トイレで出会う彼の作品は、妙に気になるのだ。