四宮拓真 17年5月21日放送
相田みつを 創作活動
「にんげんだもの」などの作品で知られる書家・詩人、相田みつを。
人間味のある朴訥とした筆づかいを、
誰もが思い浮かべることができるだろう。
しかし、彼の創作の現場は、その作風とは程遠いものだった。
シュッ、シュッと、斬りつけるような勢いで筆を走らせる。
その張り詰めた空気に、家族は近づくことができなかったそうだ。
そして、クオリティへの飽くなき執念。
書いても、書いても、納得できない。
ひとつの作品で何百もの、ときには何千もの半紙を使っていたという。
みつをの息子の一人(かずひと)さんは、山のような失敗作を燃やすのが日課だったそうだ。
「素朴」で「温和」なみつをの作品は、
尋常ならざる「殺気」と「気迫」によって生み出されていたのだ。