石橋涼子 17年5月28日放送
ダンスのはなし 妖精マリ・タリオーニ
バレエの歴史は、
ダンサーでもあった太陽王ルイ14世の時代に
大いに発展したと言われる。
当時、女性ダンサーは一般的なドレスとヒールで
踊るのが一般的だった。
そこに、つま先立ちで踊る技法、ポワント・ワークで
妖精のような軽やかな表現とともに現れたのが、
マリ・タリオーニだ。
詩人ゴーチエは彼女の踊りを
いかにも詩的に賛美した。
天上の花の上を
花びらをたわめることなく
バラ色の爪先で歩く幸福な魂
痩せぎすでひょろりと手足の長い彼女は、
ひとたび踊り始めると
重力をまったく感じさせない優美な動きで
人々を魅了したと言う。