「女の一生」キュリー夫人 24歳
その人は、女だった。
他国の支配を受ける国に生まれた。
貧しかった。美しかった。
キュリー夫人の次女が記した伝記の一節。
ロシアに支配されるポーランドに生まれ、
家庭は経済的に困窮していた。
パリで医師を目指す姉のために、
家庭教師として6年間働き、
稼いだお金は仕送りをした。
医師になった姉が、彼女をパリに呼び寄せた。
長旅が終わって、汽車の煙がたちこめる北駅に降り立ったとたん
大国の支配によるしめつけが、不意に解けたのを感じた。
その時、24歳。
ここから、キュリー夫人への道、2度のノーベル賞のへの道が始まった。