コーヒーはいかが? 〜恋の苗木〜
1727年、海軍士官のフランシスコ・パルヘッタは、
ポルトガル領ブラジルに
コーヒーの苗木を極秘で持ち帰るという使命を受けて、
フランス領ギアナに向かった。
当時、特産品として国の経済を支えていたコーヒーの
国外持ち出しは禁止されていた。
そんな中、彼は滞在中に、
ギアナの首都カイエンヌのトルヴィエ総督夫人と恋に落ち、
自分の使命を夫人に話してしまった。
そして苗木を手に入れることができずに迎えた帰国の日。
使命を果たせず、途方に暮れていた彼に、
トルヴィエ総督夫人は、大きな花束を手渡した。
そう、その贈られた花束の中には、
5本のコーヒーの苗木が隠されていたのだ。
パルヘッタは、持ち帰った苗木をブラジルに植えた。
やがて世界の生産量80%を占めることになるブラジルコーヒーは
こうして生まれたのだ。