大友美有紀 17年7月2日放送
Rubber Soul
「抒情画家・漫画家・そして/松本かつぢ」カット描き
抒情画家、漫画家、童話画、多彩な仕事を手がけた
昭和のマルチアーティスト、松本かつぢ。
小学4年生の時、父親の仕事の関係で上京する。
中学は全寮制だった。勉強は苦手だった。
特に代数は大きらい。えい、めんどくさいと
放っておいて絵ばかり描いていたら、落第してしまった。
そのうえ、かつぢは、夜な夜な寮を抜け出していた。
よからぬ遊びにふけっているのではないかと、噂になった。
舎監に呼び出されて、
あわや放校になりかけるんですが、
じつは、それがわたしを挿絵画家の道に
進ませるきっかけになるんですな。
当時、かつぢの家は貧しかった。
学費のために、夜間、新聞運びのアルバイトをしていた。
それを知った担任は、雑誌の挿絵を描くように勧めてくれた。
それが博文館の「新青年」。
才能ある新人画家の発掘に力を入れていた雑誌だった。