2017 年 7 月 のアーカイブ

原央海 17年7月16日放送

170716-05

スポーツ フルマラソン篇

2020年が近づき、人々のスポーツ熱が高まるこの頃。
そういえば、「スポーツ」といえばこんな話が…

 フルマラソンで
 ゴールインまでにもっとも時間がかかった記録は
 54年8ヶ月6日5時間32分20秒3。

なんと、この記録を残したのは日本人。
金栗四三(かなぐりしぞう)さんだ。

金栗さんは、1912年、
ストックホルムで開催されたオリンピックに出場。
しかしレースの途中、日射病でやむなく棄権…
のはずが、棄権の意思が大会本部に伝わっておらず、
記録は「途中で失踪」となっていた。

時を越え、54年後にその事実を発見したストックホルム市は
彼に完走を呼びかけた。

ゴールインのときは、こんなアナウンスが流れたそうだ。

 日本の金栗、ただいまゴールイン。
 タイム、54年と8ヶ月6日5時間32分20秒3、
 これをもって第5回ストックホルムオリンピック大会の
 全日程を終了します。

topへ

原央海 17年7月16日放送

170716-06

スポーツ フリスビー篇

2020年が近づき、人々のスポーツ熱が高まるこの頃。
そういえば、「スポーツ」といえばこんな話が…

 家族みんなで楽しめる「フリスビー」。
 フリスビーという名前は実はパン屋の名前からきている。

フリスビーの生みの親はフレデリック・モリソン。
彼は、エール大学の学生が金属のパイ皿を投げて遊ぶのを、
もっと安全にできないか、と考えていた。

そこで生み出したのが、プラスチックの円盤。
つまり、いま世界中で知られている「フリスビー」である。

その始まりとなったパイ皿の持ち主が、
パン屋の「フリスビー・ベーカリー」

パン屋からはじまったスポーツ、フリスビー・
スポーツの起源としてはかなり珍しい。

topへ

原央海 17年7月16日放送

170716-07

スポーツ ボウリング篇

2020年が近づき、人々のスポーツ熱が高まるこの頃。
そういえば、「スポーツ」といえばこんな話が…

 ボウリングのピンはもともと、
 10本ではなく、9本だったらしい。

もともと「ナインピンズ」と呼ばれていたボウリング。
そのナインピンズがオランダからアメリカに伝えられると、
熱狂する人が続出。
賭け事になり始めたことから、
1841年、ニューヨーク州で出されたのが
「ナインピンズ禁止令」だった。

しかし、健全な娯楽としてボウリングを復活させたいと思った人が、
こう言ったそうだ。

 「9本」がダメなら、「10本」にしちゃおう!

ナインはダメでも、テンならOK!
アメリカ人らしいノリだ。

topへ

原央海 17年7月16日放送

170716-08

スポーツ ゴルフカップ篇

2020年が近づき、人々のスポーツ熱が高まるこの頃。
そういえば、「スポーツ」といえばこんな話が…

100年以上前、
まだゴルフに統一されたルールがなかった頃、
カップはシャベルで適当に穴を開けていた。

しかし、いちいち穴の大きさを決めるのも面倒だし、
緑も崩れて使いづらい。

そんな時、
セント・アンドリュースのコース管理人トム・モリスが、
たまたまグリーンの側にあった土管を使ってみたところ
このサイズ感が大好評。
すべてのカップの大きさが
土管の直径108ミリメートルに統一されたそうだ。

ちなみに、その土管とは、
イギリスのセントアンドリュース市で使われている水道管。
今も街では、同じ直径の水道管が使われているとか。

topへ

三島邦彦 17年7月15日放送

170715-01

大きな魚、あるいは瞑想 デイヴィッド・リンチ

伝説の経営者スティーブ・ジョブズ、
世界最高峰のテニス選手ノバク・ジョコビッチ。
彼らに共通している日々の習慣、それは毎日の瞑想。

「エレファントマン」「マルホランド・ドライブ」など
独特の作品世界で知られる映画監督デイヴィッド・リンチもまた、
30年以上に渡り午前と午後の瞑想を欠かさない瞑想者の一人。

撮影現場でも静かな場所を用意して瞑想するという彼は、
瞑想の必要性についてこう語る。

 アイデアとは魚のようなものだ。
 小さな魚をつかまえるなら、浅瀬にいればいい。
 でも大きな魚をつかまえるには、深く潜らなければならない。

topへ

三島邦彦 17年7月15日放送

170715-02
Sam Soffes
瞑想、あるいはスタイル 村上春樹

映画監督デイヴィッド・リンチが
瞑想によって内なる世界へ
深く潜りアイデアを得るというように、
小説を書くときの精神状態を
井戸や地下室に例える村上春樹もまた、
「深く潜る人」に他ならない。

1982年、インタビューを受けた村上春樹は
小説を書く上で大切にしていることについてこう語った。

ボクの場合、なるたけ、思いを減らそうとしてるのね。
 なるたけ文体から始めようと思ってる。

それから35年後、
2017年の村上春樹はこう語る。

 僕にとっては文体がほとんどいちばん重要だと思う。

英語で文体はスタイル。
35年に及ぶ深い探求と一貫したスタイルが
村上春樹と読者の間の信頼関係を作っている。

topへ

三國菜恵 17年7月15日放送

170715-03
ryumu
妄想、あるいはエネルギー 横澤夏子

同窓会の帰りにはかならず泣いてしまう。

吉本芸人・横澤夏子は18歳のときに上京。
地元で就職はせず、芸人の道へすすんだ。

彼女が選べなかった方の人生が、彼女はうらやましい。
「地元のOLの友達に負けたくない」という気持ちが、
なぜだかずっとぬぐえない。

大学を卒業して、社会人の肩書きを得ること。
地元の子と結婚して、実家のお墓を守ること。
恋愛に疲れたと言えるほど、たくさん恋愛してみること。

地元に置いてきたものすべてがまぶしく見えるから、
同窓会の帰りにはかならず泣いてしまう。

帰らなければ傷つきはしないけれど、
そこで得る反動のエネルギーが、ふしぎな原動力になる。

topへ

三國菜恵 17年7月15日放送

170715-04

月、あるいはタンパク質 Spiber

クモの糸が繊維になる。
そんな夢のような話を実現させてしまった企業がある。

山形県鶴岡市に拠点を置くカンパニー、Spiber(スパイバー)。
クモの糸の成分であるタンパク質は、
アミノ酸との人工合成によって多様な繊維をうみだせる。
そのポテンシャルに着目して、開発に踏み切った。

石油に変わる繊維として注目され、
2016年には、アウトドアブランドのTHE NORTH FACEと共に
アウタージャケットを開発した。

金色に輝くジャケットは、
MOON PARKAと名付けられた。
持続可能な環境をめざす、人類の夢がそこに光っている。

topへ

厚焼玉子 17年7月15日放送

170715-05

トゥシューズ、或いは空へのあこがれ

400年ほど昔、
バレエの客席が舞台を見おろす構造になっていたときは
誰もダンサーの足など気にしなかった。

220年前、ロンドンシアターではじめてフライングマシーンを使った。
ダンサーはワイヤーの助けを借りて爪先で踊るようになった。

1827年、マリー・タリオーニがはじめて自力で爪先で立って踊り、
空を飛ぶイメージを表現した。
そのときのシューズはただのサテンの布で、
爪先が少し強化されているに過ぎなかった。
しかし、トゥシューズの歴史はここからはじまる。

タリオーニに刺激されたダンサーは技術の向上にはげみ
靴職人はダンサーの要求にこたえていった。

手仕事でつくられるトゥシューズ。
空気のように軽い存在でありたい、
風のように漂いたい、空へ昇りたい。
そんなあこがれのために存在する。

topへ

森由里佳 17年7月9日放送

170709-01

叫び 絶叫マシンと老紳士 「そのはじまり」

アメリカのジェットコースターは、
日本のそれとは比べものにならない。

そんな話を聞いたことがある人もいるだろう。

アメリカに、
絶叫マシン設計会社U.S. Thrill Ridesを創業し、
現役設計士として活躍する男がいる。

彼の名前は、ビル・キッチン。
やんちゃな若者かと思いきや、60歳を超える老紳士だ。
40歳の時に、人生を変えるような体験をしようと考え
スカイダイビングに挑戦したのが創業のきっかけだという。

とんでもないスリルの虜になったビルは、以来、
絶叫アトラクションに乗るたびに、
それをいかに面白くするかで頭がいっぱいになり、
ついには会社まで作ってしまった。

初老となったビルの人生は、まだまだ加速中のようだ。

topへ


login