FoeNyx
学者のこころ 伊藤圭介
理学博士 伊藤圭介は、
幕末から明治時代にかけて
日本の植物学を牽引した一人だ。
シーボルトと親交を深め、
彼から譲り受けた本を訳す中で、
さまざまな言葉をつくっている。
「雄しべ」、「雌しべ」、「花粉」など、
今でも日常で使われる植物学用語は、
伊藤が生み出したものだ。
シーボルトは、伊藤の功績を讃え、
アシタバ、スズランなどの学名に、
keiskeという言葉を入れている。
図鑑に名前が載る仕事。
FoeNyx
学者のこころ 伊藤圭介
理学博士 伊藤圭介は、
幕末から明治時代にかけて
日本の植物学を牽引した一人だ。
シーボルトと親交を深め、
彼から譲り受けた本を訳す中で、
さまざまな言葉をつくっている。
「雄しべ」、「雌しべ」、「花粉」など、
今でも日常で使われる植物学用語は、
伊藤が生み出したものだ。
シーボルトは、伊藤の功績を讃え、
アシタバ、スズランなどの学名に、
keiskeという言葉を入れている。
図鑑に名前が載る仕事。
学者のこころ 山川健次郎
明治、大正時代の物理学者、
山川健次郎は、白虎隊の生き残りだった。
会津藩が降伏すると謹慎を命じられたが、
越後に落ち延び学業に勤しんだ。
その後、留学生として渡米。
物理や土木工学を学び、
日本で初めての物理学教授になっている。
明治時代に世間を騒がせた千里眼事件では、
物理学者という立場で実験に立ち会い、
不審な点を暴いている。
粗末な家に住み、毎朝3時に起床。
清廉潔白で、学生思いの教授だったという。
学者のこころ 藤原咲平
気象学者の藤原咲平は、
富山湾に何度も出向き、
蜃気楼のメカニズムを解明した。
海岸や湖岸で冷たい空気が停泊しているところに
陸地から温かい風が吹き込んだ場合、
水面上に冷たい空気のレンズ状の層ができる。
それにより光が屈折し、蜃気楼が発生する。
この緻密な観察には、驚きの声があがったという。
やがて藤原は中央気象台長となるが、
折しも太平洋戦争と重なり、
気象情報は軍事機密とされた。
また、新聞でもラジオでも、
天気予報の発表が禁止されている。
学者の本分も、戦争が破壊する。
学者のこころ 石原純
理論物理学者、石原純は、
大学生のときに読んだ相対性理論に感動し、
自分もその研究をしようと思った。
日本で初めて相対性理論の論文を書き、
ヨーロッパへ留学の際には、
実際にアインシュタインらのもとで学んでいる。
帰国後は、日本物理学の草分けとして研究を重ねた。
アインシュタイン来日時には、通訳も務めている。
また、石原は物理学のほかに和歌も嗜んだ。
チューリヒでアインシュタインと面会したときに、
こんな歌を詠んだ。
名に慕へる 相対論の創始者に われいま見ゆる こころうれしみ
憧れる人に出会ったときの感動は、
数式では表せない。
学者のこころ 菊池大麓
明治、大正時代の数学者、菊池大麓は
幼いころからエリートだった。
6歳から英語と数学を習い始め、
9歳のときには教える立場になっていた。
幕府の命によりイギリスに留学。
ケンブリッジ大学でも主席の成績をおさめ、
帰国して東京大学の教授に任命されたのは、
22歳という若さだった。
菊池は、留学中にラグビーの試合に出場したという。
そう考えると、日本初のラグビープレーヤーは、
菊池大麓だったのかもしれない。
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