2017 年 8 月 のアーカイブ

四宮拓真 17年8月20日放送

170820-08
Adheesha88
セイロン島 × ジェフリー・バワ

スリランカを代表する建築家、ジェフリー・バワ。
故郷であるセイロン島の自然の特性を最大限に引き出した建築で知られ、
「熱帯建築」の第一人者と呼ばれる。

なかでも、ホテル建築は特に有名だ。
「ヘリタンス・カンダラマホテル」は、
蔦に覆われた外観や、剥き出しの岩を利用した廊下など、
自然と建築の融合が実現されていて、まさに熱帯建築。
バワ自身が、

 やがてこのホテルは木々に覆われ、自然に還るだろう

とまで言うほどだ。

「熱帯建築の神様」とまで言われたバワだが
実は、キャリアを始めたのは38歳とやや遅め。
弁護士だったバワが建築に目覚めたのは、
世界放浪のなかでイタリアを訪れたときだった。
そこから勉強を始めて、故郷のセイロン島で、
理想の建築の追求を生涯の仕事に定めたのだった。」

アラフォーからでも、神様になれるのだ。

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渋谷三紀 17年8月19日放送

170819-01

松本清張と珈琲

松本清張の代表作「点と線」には、
有楽町の喫茶店が登場する。
刑事の三原がコーヒーを飲みながら、
容疑者のアリバイ崩しに思考を巡らせる場面だ。

清張自身、自宅でも出先でも、
よくコーヒーを飲んだ。
スプーン三杯の砂糖を入れた、
甘いコーヒー。

これといった趣味を持たず、
膨大な仕事に立ち向かった清張にとって、
珈琲は、かけがえのない相棒だった。

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渋谷三紀 17年8月19日放送

170819-02

三島由紀夫と珈琲

作家の三島由紀夫は、
コーヒーよりも紅茶を好んだ。
深夜の執筆には、
いつも紅茶を準備した。

「夜会服」という三島の小説がある。
前半に描かれる優雅なアフタヌーンティとは対照的に、
最後に登場するのがコーヒーだ。

溺愛する息子との仲を割かれた姑が、
一人で飲むコーヒーの味についてこう語る。

「自分を助けてくれる人はもう誰もいない。
 なんとか一人で生きていかなければ、と言う味なのよ。」

三島にとってのコーヒーが、
その行間から透けて見える。

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渋谷三紀 17年8月19日放送

170819-03
jotpeh
中上健次と珈琲

活字になったものは
ぜんぶ喫茶店で書いた、
と語るのは、作家の中上健次。

行きつけだった西新宿の喫茶店に入ると、
まずコーヒーを注文する。
一口飲み、原稿を書き進めるうち、
店の音楽も客の話し声も聞こえなくなってくる。
その時の自分の心持ちを、中上はこう言った。

 人はいるが、誰もいない。私一人だ。

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渋谷三紀 17年8月19日放送

170819-04
zunsanzunsan
井上ひさしと珈琲

作家の井上ひさしは、
息子が幼い頃、
よく二人で散歩に出かけた。

おもちゃ屋さん、本屋さんを回った後は、
決まって喫茶店でコーヒーを飲んだ。

井上は、店主の個性が
そのまま店の雰囲気になっているような、
小さな店を贔屓にした。
その店で、お客さんを観察したり、
店主と話すのが好きだった。

井上作品の生き生きとした会話は、
そんなところから生まれたのかもしれない。

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渋谷三紀 17年8月19日放送

170819-05
Chris Campbell
茨木のり子と珈琲

詩人、茨木のり子。
毎朝、電動ミルで珈琲を挽き、
ケトルでお湯を沸かして、朝食に飲んだ。

のり子の書いた「食卓に珈琲の匂い流れ」という詩がある。
農家の納屋の二階に住んでいた戦時中に飲んだ
インスタントコーヒーの味を思い出し、
「豆から挽きたてのキリマンジャロ」や
「一滴一滴したたり落ちる液体の香り」をよろこぶのり子。
「やっと珈琲らしい珈琲がのめる時代」と綴った。

当たり前のように見えて、
当たり前ではない。
それは、しあわせの匂いだった。

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蛭田瑞穂 17年8月13日放送

170813-01

左利き サウスポーの由来

映画「ロッキー」。
主人公のロッキー・バルボアはフィラデルフィア出身の
サウスポーのボクサーという設定である。

劇中、ロッキーが恋人のエイドリアンに
サウスポーという言葉の由来を説明する場面がある。

 昔々、200年も前の大昔、
 フィラデルフィアにケンカに滅法強い男がいた。
 そいつは左利きだったから腕はいつもニュージャージーを向いていた。
 つまり、南を向いていたってわけだ。
 だからそいつは「サウスポー」と呼ばれるようになったのさ。

もちろん、これは映画の中のホラ話。
だが、映画のフィナーレでフィラデルフィア出身のサウスポー、
ロッキー・バルボアは見事、世界チャンピオンの座を勝ち取る。

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蛭田瑞穂 17年8月13日放送

170813-02
Chris Yarzab
左利き サウスポーのボクサー

映画「ロッキー」。
無名のボクサーのロッキー・バルボアが
世界チャンピオンのアポロ・クリードに勝てたのは
ロッキーがサウスポーだったことが大きい。

アポロがロッキーを対戦相手に指名すると、
トレーナーは激しく反対した。

 チャンプ、こいつはサウスポーだぞ!
 サウスポーだけはやめておけ!

右利きのアポロ・クリードは左利きのボクサーを苦手としていた。
だが、アポロは相手の力を見くびっていた。

ロッキーはサウスポーという数少ない利点を活かし、
格上の世界チャンピオンをノックアウトした。

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蛭田瑞穂 17年8月13日放送

170813-03

左利き シルベスター・スタローン

1970年代の頭、シルベスター・スタローンは売れない役者だった。
生活は貧窮の底にあった。

1975年29歳の時、観戦したヘビー級タイトルマッチに感銘を受け、
わずか3日で脚本を書き上げたスタローンは映画会社に売り込みに行く。

これが無名のボクサーが一夜にして世界チャンピオンの座を射止める
映画「ロッキー」の脚本である。

映画は世界的に大ヒットし、その年のアカデミー賞も受賞する。
ロッキー同様、スタローンもまた
この映画によってアメリカンドリームを手にした。

主人公のロッキーがサウスポーのボクサーなのは
スタローン自身が左利きだから。

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佐藤日登美 17年8月13日放送

170813-04
derekbruff
左利き 左利きの大統領たち

8月13日は、左利きの日。
イギリスにある「Left-Handers Club」によって制定された。
彼らの目的は、左利きの人々の生活環境の改善や、
左利きグッズの普及をメーカーに呼びかけること。

記念日である今日は、
左利きに焦点を当てたイベントが開催される。
左利き対右利きで試合。
左利きの人のためのティーパーティー。
パブでは左利き用の栓抜きで酒が開けられ、
左手を使ってカードゲームを楽しむ。

右利きの人も、今日だけは左手を使ってみては。

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