佐藤延夫 17年10月1日放送

tanizaki

住まいが語るもの/谷崎潤一郎

近代文学の作家は、
引越しを好む者が多かったが、
その中でも群を抜くと言われているのは
谷崎潤一郎だ。

三人目の妻、松子夫人と暮らした住居、倚松庵は、
転居に次ぐ転居の中で、比較的長く滞在したと言える。
応接間は全てフローリング。
ドアにはステンドグラスがはめ込まれ、
冬は備え付けの薪ストーブに火を入れた。

「細雪」を執筆した当時の住まいであり、
部屋の細部まで作中に描写されている。

家は、作品に奥行きを与える。

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