田中真輝 17年11月19日放送
創造者
1909年の今日は、
経済学者ピーター・ドラッカーが生まれた日。
彼は「マネジメント」という概念の発明者。
「民営化」や「知識労働者」、「目標管理」といった、
いまや経済論を語る上ではごく一般的な言葉も、
実は彼が作り出した造語である。
彼は自らを「社会生態学者」と名乗り、経済の仕組みを
つぶさに観察し、そこに見られる構造を言語化していった。
しかしそれは決して単なる観察ではない。
そこにある、名付けられていないものを名付けることは、
すなはち、新しい概念を作り出すことでもある。
ドラッカーは優れた観察者でありながら、
新しい世界の創造者であった、ともいえるのではないだろうか。