大友美有紀 17年12月3日放送
「失踪までとその後」アガサ・クリスティー 失踪
アガサの結婚生活は、それなりに順調だった。
しかし、最愛の母が亡くなってしまう。悲しみくれながら、
死の後始末をするが、夫のアーチーは手を貸そうとしない。
わたしは頭が混乱し、あれこれへまをやるようになってきた。
まったく空腹をおぼえなくなって、食べるものが次第にへっていった。
そのうえ、やっと姿を現した夫からは離婚をきりだされる。
1926年12月3日。アガサは夜中に車で家を出たまま姿を消してしまう。
翌日、郊外の小道の脇で車が発見される。
彼女の姿はなく、免許証とスーツケースと毛皮のコートだけが残されていた。
失踪は報道され、大捜査がおこなわれ、殺人も疑われた。
ところが10日後、ヨークシャー州のホテルでアガサが発見される。
自分が誰なのか、どうしてそこにいるのか思い出せない状態だった。