永久眞規 17年12月16日放送
電話のはなし 伊沢修二
世紀の大発明「電話」。
電話を通して、最初に話された言語は英語だが、
二番目の言語は日本語であった。
その声の主は、伊沢修二。
日本に近代的な学校をつくるためにアメリカに
留学していた伊沢は、電話の発明者グラハム・ベルと交流があった。
ベルがすごい機械をつくり、公開実験が行われる。
そんな噂を聞きつけた伊沢は、友人の金子堅太郎と
電話機を初めて体験した日本人となった。
その時の会話について諸説あるが、
とある短編集に載っているやりとりが中々に面白い。
電話を使い、一通り英語で会話をした伊沢と金子。
伊沢は「不思議だ、不思議だ。実によく聞こえる」と
日本語で独り言を言った。それにたいして金子はこう言った。
「伊沢、この機械は素晴らしい。日本語まで聞こえるぞ!」