河田紗弥 17年12月17日放送
文房具のあれこれ 〜セロテープ〜
戦後、日本に駐留していたGHQは、
検閲した手紙の封かんにアメリカ製のセロハン粘着テープを使っていた。
しかし、輸入が遅れ、テープ不足が発生し、
GHQは、急遽、絆創膏などを製造していた会社に製造を打診した。
セロテープに、大きな可能性を感じた当時の社長、歌橋憲一は、
絆創膏製造の技術を応用し、
1948年には、セロハン粘着テープの試作品を納品した。
短期間で試作品をつくり上げた日本の技術力を
当時のアメリカは高く称賛したという。
GHQへの納入を続けるうちに、安定して生産ができるようになり、
1984年には「セロテープ」として市販を開始した。
しかし、当時の日本では、ものを貼るのに
粘着テープを使う習慣がなかったため、全く売れない。
そこで、セロテープの広告をボディに貼り付けた宣伝カーを全国に巡回させ、
使い道や特徴を直接伝えていった。
かわいい形をした宣伝カーが子どもたちの目を惹き、
商品の便利さに大人たちが目を留め、
瞬く間に、セロテープは普及していった。