大友美有紀 18年3月4日放送
「映画監督」クリント イーストウッド 1992年、許されざるもの
クリント イーストウッドはテレビドラマ出身の西部劇俳優だった。
1980年代後半、出演作はことごとく失敗。
アクション俳優としての実力が、歳とともに衰えていくのは、
仕方のないことだった。
そして1992年、「許されざる者」を監督する。
年老いたガンマンが、賞金稼ぎのために
再び銃を手にする映画だ。
善人はすべてが善でなく、
悪人はすべてが悪でないというのが好きだ。
だれでも欠点をもち、誰でも自分のすることに
対して理屈をつけたり正当化したりする。
1982年か83年に、この映画のオファーがあった時、
クリントはもう少し歳を取ってからの方が、
この役にふさわしいと感じた。
だから「宝物としてしまっておいた」という。
自分の状況をしっかり分析していたのだ。