澁江俊一 18年3月11日放送
金田一京助 アイヌ語の入口
数々の国語辞書の
編纂者として知られる金田一京助。
岩手県の盛岡に生まれ
石川啄木とも親友だった若かりし京助が
人生を賭けた研究テーマに
選んだ言葉は、アイヌ語だった。
「アイヌ語を研究するのは日本人の使命だ。」
教授からそう言われて
日本人初のアイヌ語研究者になると
心を決めた京助。
しかし文字を持たないアイヌ語は
まったく理解できなかった。
京助は考えた。
あえて訳のわからない絵を描いて見せ、
その反応からアイヌ語の「へマタ」という
言葉を聞き出すことに成功。
これは何?という意味である。
ここから膨大なアイヌ語の単語を
一つ一つ記録していった。
偉大な言語学者を一人前にした
「これは何?」という言葉も
とても偉大な一言である。