礒部建多 18年3月11日放送
淡谷のり子 じょっぱりシャンソン
津軽の人々の気性を表す言葉として、
「じょっぱり」が有名である。
強情っぱりで頑固である、と言う意味だ。
そんな言葉を正に体現した人物が、
シャンソン歌手の淡谷のり子であった。
淡谷は、服も配給制だった時代に、
ロングドレスを纏い、
アイシャドウやステージ用メイクを施していた。
決して見栄なんかではない。
大日本帝国軍から、
ノーメイクとモンペ姿で
歌うことを強いられたにも関わらず、
自分のスタイルを貫いた。
せっかく兵隊さんたちが夢を求めているのに、
きたならしいもんぺをはいて、
化粧もしないで「別れのブルース」歌えますか。
淡谷のその頑なな信念に、
どれだけの兵士たちが勇気をもらったことだろう。