名雪祐平 18年3月31日放送
奇跡十四ヶ月 樋口一葉
日本文学史上に輝く、
樋口一葉・奇跡の十四ヶ月。
『たけくらべ』『にごりえ』をはじめ
傑作の数々は、一葉の晩年の
驚きべき短期間に書き上げられた。
一葉の小説が載った文学雑誌は飛ぶように売れ、
森鴎外や幸田露伴といった
文壇の大作家たちは一葉の小説にとどまらず
人となりまで絶賛。
家の表札まで盗まれ、
まるでトップアイドルのような一葉。
そのさなか、肺結核という悲劇に侵された。
ハッピーエンドはまずない自分の小説のように、
一葉24歳の生涯だった。