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呼吸のはなし 長田弘の詩と呼吸
ふと気がつくと、
まともな呼吸ができないくらい
追われるように暮らしている。
そんな慌ただしい日々を
風のように吹き抜けることばがある。
詩人、長田弘の詩、「窓のある物語」
ことばが信じられない日は、
窓を開ける。それから、
外にむかって、静かに息をととのえ、
齢の数だけ、深呼吸をする。
ゆっくり、まじないをかけるように。
その詩のままに、そっと目を閉じ
ただただ呼吸をゆったり深める。
齢の数まで呼吸しなくとも、
ひと息ごとに胸のざわめきが
静かにやさしくなってゆく。
そうだ。
ことばが信じられない日こそ
ことばを、呼吸を、信じてみよう。
めまぐるしさを時代のせいにするのは
もうやめて。