大友美有紀 18年4月7日放送
日本の色 ピンク
はしきやし、吾家(わぎへ)の毛桃、本しげみ
花のみ咲きてならざるめやも
万葉集、詠み人知らず。
桃の花がこんなに茂っているのに
実を付けないわけがないでしょう。
実とは恋を指し、桃が恋愛成就の象徴として詠われている。
桃色は少女の色であり、恋の色である。
日本語で使われる「ピンク」にも、
愛情や性的な意味合いがある。
けれども、元来英語のPINKは、
撫子やナデシコ科の植物・石竹(せきちく)の意味。
艶っぽい含みはない。
色に意味を見いだし、感情を重ねる。
日本の色は奥深い。