田中真輝 18年4月8日放送

180408-06

おまじない

 だいせんじがけだらなよさ

このおまじないのような言葉は、
寺山修司がカルメン・マキのために書いた
曲のタイトル。

さかさまに読むと、
「さよならだけがじんせいだ」。

井伏鱒二が唐の時代の「勧酒(かんしゅ)」という
詩を訳した、その中にこの言葉はある。

幼い頃父を亡くし、12歳で母とも生き別れに
なった少年、寺山修司は、この言葉をさかさまに
して、おまじないのように、何度も唱えながら、
孤独に耐えていたという。

 だいせんじがけだらなよさ
 だいせんじがけだらなよさ

唱えるたびに、むしろ孤独感が強まるような、
そんな気がしてしまうのは、わたしだけだろうか。

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