jens johnsson
わたしのはなし 平野啓一郎とわたし
わたしとは、なんだろう。
この普遍的な問いに
作家の平野啓一郎さんこう答えた。
他者との関わりで変化する複数の自分が「わたし」を
構成していて、唯一無二の「本当の自分」は存在しない。
それは、「わたし」を「あなた」に
開いていくとっても素敵な回答だ。
jens johnsson
わたしのはなし 平野啓一郎とわたし
わたしとは、なんだろう。
この普遍的な問いに
作家の平野啓一郎さんこう答えた。
他者との関わりで変化する複数の自分が「わたし」を
構成していて、唯一無二の「本当の自分」は存在しない。
それは、「わたし」を「あなた」に
開いていくとっても素敵な回答だ。
わたしのはなし たいせつなこと
わたしとは、なんだろう。
そんな問いがよぎるとき
ふと開きたくなる絵本がある。
マーガレット・ワイズ・ブラウン作
「たいせつなこと」。
スプーン、ひなぎく、りんご、そら…。
あらゆるモノにとって、
「たいせつなこと」を
やさしいことばで教えてくれる。
最後のページには、こう書かれてある。
あなたにとって たいせつなのは
あなたが あなたであること
わたしは、ほかの誰でもなく、まるごとわたし。
それを100%受け入れたとき
わたしはもっと、わたしになれる。
わたしのはなし パブロ・ピカソと模写
わたしとは、なんだろう。
画家、パブロ・ピカソは、
生涯の中で作風を
目まぐるしく変えていった。
青色を主に用い陰鬱なテーマを描いた、「青の時代」。
恋人をモデルにし、明るい色調の作風が続いた「ばら色の時代」。
セザンヌからの影響をきっかけとした、「キュビズムの時代」。
丸みを帯びた写実的な描写になった
「新古典主義の時代」。
そして、非現実的で怪物のようなモチーフを
数多く描いた、「シュルレアリスムの時代」。
なぜここまで、過激に変化したのか。
そのヒントが、ピカソのこんな言葉から読み取れる。
他人を模写するのは
必要なことである。
しかし、
自分を模写するのは哀れなものだ。
ピカソにとっての「わたし」。
それは、一瞬たりとも同じであることが
許されない存在、なのかもしれない。
Ars Electronica
わたしのはなし 石黒浩とアイデンティティ
わたしとは、なんだろう。
自分そっくりのアンドロイドをつくり、
人間とロボットの未来を模索する
ロボット工学者・石黒浩は、
こんな持論を展開している。
相手に伝わってこそのアイデンティティですから。
名前なんか、毎日変えたっていいんです。
顔はあんまり変えないほうがいい。
服は絶対に変えないほうがいい。
わたしのはなし ヘルマン・ヘッセと内面性
わたしとは、なんだろう。
詩人でありノーベル文学賞作家でもある
ヘルマン・ヘッセ。
苦悩の多い人生からか、
わたしとは何か、を問いかけるような
文学作品を多く残している。
ヘッセは繊細で静かな文章で、
青春の悩みや人間らしい弱さを描いたが、
それはときに、悩める読者の希望となった。
書物というタイトルの詩で、ヘッセはこう語る。
君自身の中に、
君が必要とするすべてはある。
「太陽」も「星」も「月」もある。
君の求める光は、
君自身の内にあるのだ。
ヘッセの元には、世界中の悩める読者から
何千通もの手紙が届いた。
彼は、仕事の時間を割いて、
ひとつひとつに返事を書き続けたという。
nhojjohn58
わたしのはなし リトル・ミイの顔
わたしとは、なんだろう。
ムーミン谷に住む小さな女の子、ミイ。
怒りっぽくて口が悪いけれど、
彼女は、自分というものを知っている。
あるとき、自分に自信が持てなくて、
とうとう姿が消えてしまった仲間に
ミイはぴしゃりとこう言った。
それがあんたのわるいとこよ。
たたかうってことをおぼえないうちは、
あんたには自分の顔はもてません。
小さなミイは、
まったくもって彼女らしい顔で、よく笑う。
わたしのはなし 吉田松陰の答え
わたしとは、なんだろう。
この難しい問いに、武士でありながら
思想家であり教育者でもある吉田松陰は、こう答えている。
体は私なり。
心は公なり。
目に見えている物体としての体がわたしなのであり
こころは、わたしのものではなく、
誰かのため、公のためにつかうものだと。
心と体、2つの視点から自分を見るとき、
わたしとは何者か、深く理解できるのかもしれない。
わたしのはなし フェリーニのわたしらしさ
わたしとは、なんだろう。
もう終わりだと思うのも、
さあ始まりだと思うのも、
どちらも自分だ。
「映像の魔術師」の異名を持つ映画監督、
フェデリコ・フェリーニの言葉である。
流行りに流されることなく
次々と新しい映画作りに挑戦することで
独自のスタイルを築いたフェリーニ。
わたしがどう感じるか、
その感覚を一番大切にして生きてみれば
もっとシンプルに、わたしらしさが見えてくる。
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