2018 年 6 月 24 日 のアーカイブ

茂木彩海 18年6月24日放送

180624-01

空のはなし 青空の空

雲行きの怪しい日もあれば
悲しみの雨に濡れる日だって。
人の心は空模様のように日々変わり続ける。

 雲の向こうは、いつも青空。

小説家、ルイーザ・メイ・オルコットの言葉である。

どんな日だって、青空は広がっているはず。
その青空が見たくて、今日も人は上を向く。

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熊埜御堂由香 18年6月24日放送

180624-02
t-mizo
空のはなし 虹の色、空の色

虹の色といえば、日本では7色。
けれど、アメリカでは6色、ドイツでは5色、
アフリカのバサ族には
赤と黒の2色に見えるそうだ。

虹だけでなく、空そのものも色も、
太陽の光量や、目の色など
さまざまな要因がからみあって感じ方が変化するらしい。

空は、人間の感性の違いをおおらかに受け止める
カラフルなパレット。
今日の空は、あなたにはどんな色に見えますか?

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小野麻利江 18年6月24日放送

180624-03

空のはなし 星座の空

人工的な照明によって
夜空が薄明るくなる、はるか前。
人間にとって、空はコンパスであり、時計だった。

夜空を動く、星の流れ。
遊牧民族はそれらの動きで自分の位置を知り、
農耕民族は、作物の種まきや収穫の時期の目安とした。

いまどの星が、空のどこにあるのか。
それを分かりやすく、伝えやすくするために、
いつしか生み出されたのが「星座」。

隣り合う明るい星を、いくつかのまとまりにして。
さらに覚えやすくするために、
そこに、祖先から伝わる伝説などのモチーフを当てはめた。

星座は、世界じゅうで発生したどの文化にも存在しているという。
しかし、現在もっとも良く知られている88の星座の多くは、
古代メソポタミア文明からエジプトを経由し、
古代ギリシアで神話が追加されたものがベースとなっている。

人工的な照明によって
夜空は薄明るくなってしまったが、
数々の星座の存在は今もなお、
空の豊かな物語の、目次となっている。

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茂木彩海 18年6月24日放送

180624-04

空のはなし 荘子の空

古代中国の思想家・荘子(そうし)の言葉が、
こんな格言になっている。

 管を用いて天をうかがう  

細い管から空をのぞいて、
それを天だと思い込む。

しかしそのような狭い視野で、
空全体を知ることは到底できない。

たとえ話にすると、想像するだけで滑稽だ。
しかし案外、普段の私たちが、陥りがちな状況だ。

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石橋涼子 18年6月24日放送

180624-05
Bundesarchiv Bild 183-H28795
空のはなし トーマス・マンと夜空

ドイツのノーベル賞作家、トーマス・マン。

自分に厳しく、小説を書くにあたっても
周到な下調べや、細かな根拠づけを欠かさなかった。
文章を書くときは書斎にこもり神経を研ぎ澄ます。
家にいる子供たちにも静寂を求めたという。

なんだか堅物な印象のトーマス・マンだが、
こんな言葉も残している。

 いま、私が一番好きな仕事は
 夜に星空を眺めることです。
 なぜと言って、
 この地上から、
 この人生から眼を逸らすのに
 これほど良い方法があるでしょうか。

偉大な父も時には、やれやれ、と息をつきながら
星空を眺めたものか。
もしくは、もっと視野を広げなければなどと、
堅苦しいことを考えたりしたものか。

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石橋涼子 18年6月24日放送

180624-06
National Museum of the USAF
空のはなし ライト兄弟の飛んだ空

1903年と言えば、
機械が空を飛ぶことは不可能、と考えられていた時代。
そして、ライト兄弟が世界で初めて飛行機に乗って空を飛んだ年。

今、何かに限界を感じている人に、彼らの言葉を贈ります。

 いま正しい事も、
 数年後 間違っていることもある。
 逆にいま間違っていることも、
 数年後 正しいこともある。
 そして我々は、飛行機はきっと空を飛ぶと確信していた。

さあ、広い空を見上げて、まずは一歩、踏み出そう。

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茂木彩海 18年6月24日放送

180624-07
twbuckner
空のはなし 空想の空

空想という言葉があるように、
人はなにかを想う時、空を見上げることがある。

児童文学「赤毛のアン」で描かれるアンはおしゃべりで空想好き。
虹ひとつ見ても、こんな風に目を輝かせる。

 森の女神があたしたちが帰ってしまってからあらわれて、
 これをスカーフにするんじゃないかしら。

空を見上げながら心を解放する時間は
子供だけでなく、大人にこそ大切な時間にちがいない。

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薄景子 18年6月24日放送

180624-08
jai Mansson’s photography.
空のはなし No rain, no rainbow.

雨上がりの空にかかる美しい虹。
見上げた瞬間、誰もが
幸福な気持ちになるのはなぜだろう。

虹の州と呼ばれるハワイでは
レインボーは神聖なものとされ、
こんな素敵なことわざもある。

 No rain, no rainbow.

雨がなければ、虹はでない。
辛いできごとも、悲しみも、
やがては晴れる人生につながってゆく。

そんな希望に気づかせるために、
きょうも世界のどこかで
虹は七色に輝いている。

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