deletio
山について「槍ヶ岳」
槍ヶ岳は日本で5番目に高い山だ。
標高は3180メートル。
名前の通り天に槍を衝くような形が特徴で、
「日本のマッターホルン」と呼ばれている。
1823年、初めて槍ヶ岳の登頂に成功したのは僧の播隆。
危険な山道に縄をかけ鎖をかけた。
一里塚に石仏を置き、
多くの人が安全に登れるよう山を開いた。
日本アルプスの麓、松本駅では、
播隆上人の銅像が今日も静かに鋭峰を見つめる。
deletio
山について「槍ヶ岳」
槍ヶ岳は日本で5番目に高い山だ。
標高は3180メートル。
名前の通り天に槍を衝くような形が特徴で、
「日本のマッターホルン」と呼ばれている。
1823年、初めて槍ヶ岳の登頂に成功したのは僧の播隆。
危険な山道に縄をかけ鎖をかけた。
一里塚に石仏を置き、
多くの人が安全に登れるよう山を開いた。
日本アルプスの麓、松本駅では、
播隆上人の銅像が今日も静かに鋭峰を見つめる。
Kirill Skorobogatov
山について「間ノ岳」
間ノ岳が日本で3番目に高い山になったのは、
2014年のこと。
国土地理院が最新の衛星システムで計測した結果、
標高を3190メートルに改定した。
測量技術の進化には目をみはるばかりだが、
近年活発化している
日本列島の地殻変動の影響もあると見られる。
1万年以上前の氷河期には、
間ノ岳が日本最高峰だったという説もあり、
ああ、山は生きているのだと、気づかされる。
山について「奥穂高岳」
「無垢の爾を、自分は絶愛する」
と山に叫んだのは、
1904年に槍ヶ岳から穂高岳を初縦走した鵜殿正雄。
日本で3番目に高い山「奥穂高岳」の名付け親である。
彼の紀行文を読むと、
奥穂山頂からの下降地点にある通称「間違い尾根」に、
当時の案内人たちも誤って踏み込んだとある。
まさに時代をこえた「間違い尾根」だ。
未知の岩稜をたどり、難所を乗り越え、
必死の思いでたどり着いた大景観。
鵜殿が震えた無垢な感動を、
私たちはもう味わうことができない。
Daisuke tashiro
山について「北岳」
その高さ3193メートル。
日本で2番目に高い山、北岳。
平安時代の「古今和歌集」や「後拾遺和歌集」、
鎌倉時代の「平家物語」、
最近でも高村薫の「マークスの山」で取り上げられるほど
古くから日本人の心を掴んできた名峰だ。
夏の降雨量が多いため、絶滅危惧種に数えられる
キタダケソウやタカネマンテマ、キタダケトリカブトなど
珍しく、さらに美しい植物が多く見られることで知られている。
富士山より険しいという厳しい顔。
その裏にある、華やかな顔。
北岳の持つ意外性に登山者は魅せられるのかもしれない。
山について「富士山」
標高3776メートル。
言わずと知れた日本一の山、富士山。
富士山は静岡県と山梨県の間にまたがっているが、
その山頂はどちらの県にあるだろう。
答えは・・・どちらでもない。
富士山本宮浅間大社の私有地だ。
八合目以上は境内で、頂上には奥座が鎮座している。
国のものでも誰かのものでもなく、神様のいる場所。
富士山は日本人の心の真ん中に高く高くそびえたっている。
Copyright ©2009 Vision All Rights Reserved.