Photo by Rob Bye
大地のはなし 母なる大地の土
「母なる大地」という言葉があるように
人は自分を育ててくれた大地に愛情を持つ。
ロシアでは古代、長旅に出る際に
故郷の土を一握り持って行ったという。
江戸時代の旅人の心得として書かれた本には
船旅の不安を防ぐ方法として
陸の土を包んで持つように書かれていた。
さて、あなたがホッとする大地はどの辺りでしょう。
Photo by Rob Bye
大地のはなし 母なる大地の土
「母なる大地」という言葉があるように
人は自分を育ててくれた大地に愛情を持つ。
ロシアでは古代、長旅に出る際に
故郷の土を一握り持って行ったという。
江戸時代の旅人の心得として書かれた本には
船旅の不安を防ぐ方法として
陸の土を包んで持つように書かれていた。
さて、あなたがホッとする大地はどの辺りでしょう。
大地のはなし ネイティブアメリカンの教え
私たちは大地に育まれている。
水や空気や栄養を、そこに実る植物を、
惜しみなく与えられていることに
私たちはあまり気づかない。
私たちは大地に支えられている。
高いところが大好きな人間や建築物やあれこれを、
大地は重いとも言わずに支えている。
私たちは足元に大地があることに何の疑問も抱かない。
ネイティブ・アメリカンに古くから伝わる
こんな教えがある。
大地は先祖からの授かりものではなく、
こどもたちからの預かりものである。
大事な預かりものだと考える緊張感は、
現代の私たちにこそ丁度いいのかも。
Jing Liao 廖品淨
大地のはなし 大地の芸術祭
人間は、自然に内包される。
新潟県の越後妻有(えちごつまり)で
3年に1度開催される、
大地の芸術祭が掲げ続けてきたテーマだ。
この芸術祭は、美術館の白い壁で見るアートとは
一味違う体験をもたらしてくれる。
広大な自然の中に、点在するアート作品を
道しるべに里山を巡る。
もともとは、越後妻有は、過疎高齢化の進む豪雪地だった。
立ち上げ当初は、地元の住民の中には、戸惑いを感じる人もいた。
それがいつのまにか、
都会から来た若者のボランティアと、
一緒に芸術祭を盛り上げるようになった。
アーティストが滞在して、暮らしの中で作品を作っていく。
会を重ねるごとに制作したアート作品が増えて行き、
里山の中に溶け込む風景になっていく。
大地がまるごとよろこんでいる。
そんなお祭りは、2000年から今年で7回目を迎え、
50万人近くが世界中から来場する国際芸術祭になった。
Photo by Fabian Struwe
大地のはなし ゲーテの言葉
ドイツの劇作家、ゲーテは言った。
世界は君達に大きく開かれている。
どしどし遠慮なく進むがいい。
大地は広々とつづき、
空は広大無辺にひろがっている。
何かに行き詰ったときこそ、
無限の大地を感じる場所へ旅しよう。
ちっぽけな自分の存在に気づいたとき、
その大地は、遠慮なく前進する勇気をくれる。
Photo by Daniel Sturgess
大地のはなし 大地を深掘りしていくと
大地の成分は、岩と土。
マグマが急速に、あるいは、
ゆっくりと冷やされたことで、できた岩。
生物の死骸が集まり、積み重なって、できた岩。
そんな岩たちが水や風で砕かれたり、
地下の奥深くで強い作用を受けたりして、できた岩。
それら岩石の細かい粒子がベースとなり、
そこに火山灰や、
動物・植物・微生物の死骸と排せつ物、
微生物によって分解された有機物などが
混じり合って、土になる。
土の中にはたくさんのすき間があり、
そのすき間は水と、
二酸化炭素や窒素を多く含んだ空気で満ちている。
たくさんの微生物や、動物たちも生きている。
大地を深掘りしていくと、
はるか宇宙の、
見知らぬ惑星のような風景が見えてくる。
大地のはなし 『菜根譚』より・天地と心根
天地は、元来、広大なものであるが、
心根の卑しい者が、自ら狭くする。
これは、明の時代末期の中国で書かれた、
『菜根譚』という処世訓の中にある言葉。
すべては心の持ちかた次第。
いまの自分の環境が
何だかせせこましいなと思ったら、
視野を広げて、広い自然・広い大地の中に、
身を置いてもいいのかも。
それをするには、
これからますます、いい季節です。
Photo by Gabriel Jimenez
大地のはなし 癒しの土
動物たちはミネラル不足を補うために
自ら進んで土を食べることがあるそうだが、
ネイティブ・アメリカンたちも土を「イワーキー」と呼び、
心労回復のために食べる習慣があるという。
イワーキー。意味は、癒しの土。
大地はいつでも動物たちの亡骸を静かに受け止め、木々を育て続ける。
数百万年もの間、優しく、ゆっくりと。
私たちの足元には、そんな究極の癒しが広がっている。
Fæ
大地のはなし 土偶の秘密
女性や妊婦、精霊を表現して作られたと言われている
土から生まれた偶像、土偶。
土偶が盛んに作られた縄文時代は、世界にも類を見ない平和な時代であり、
1万年という長い年月でありながら争いで人が死ぬことなど
ほとんどなかった、と言われている。
現代人が夢見る争いのない社会。
縄文時代の平和な大地から生まれた彼女たちなら
その秘密を知っているのだろうか。
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