2018 年 9 月 30 日 のアーカイブ

石橋涼子 18年9月30日放送

180930-01
Photo by Rob Bye
大地のはなし 母なる大地の土

「母なる大地」という言葉があるように
人は自分を育ててくれた大地に愛情を持つ。

ロシアでは古代、長旅に出る際に
故郷の土を一握り持って行ったという。

江戸時代の旅人の心得として書かれた本には
船旅の不安を防ぐ方法として
陸の土を包んで持つように書かれていた。

さて、あなたがホッとする大地はどの辺りでしょう。

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石橋涼子 18年9月30日放送

180930-02

大地のはなし ネイティブアメリカンの教え

私たちは大地に育まれている。
水や空気や栄養を、そこに実る植物を、
惜しみなく与えられていることに
私たちはあまり気づかない。

私たちは大地に支えられている。
高いところが大好きな人間や建築物やあれこれを、
大地は重いとも言わずに支えている。

私たちは足元に大地があることに何の疑問も抱かない。

ネイティブ・アメリカンに古くから伝わる
こんな教えがある。

 大地は先祖からの授かりものではなく、
 こどもたちからの預かりものである。

大事な預かりものだと考える緊張感は、
現代の私たちにこそ丁度いいのかも。

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熊埜御堂由香 18年9月30日放送

180930-03
Jing Liao 廖品淨
大地のはなし 大地の芸術祭

人間は、自然に内包される。
新潟県の越後妻有(えちごつまり)で
3年に1度開催される、
大地の芸術祭が掲げ続けてきたテーマだ。

この芸術祭は、美術館の白い壁で見るアートとは
一味違う体験をもたらしてくれる。
広大な自然の中に、点在するアート作品を
道しるべに里山を巡る。

もともとは、越後妻有は、過疎高齢化の進む豪雪地だった。
立ち上げ当初は、地元の住民の中には、戸惑いを感じる人もいた。
それがいつのまにか、
都会から来た若者のボランティアと、
一緒に芸術祭を盛り上げるようになった。
アーティストが滞在して、暮らしの中で作品を作っていく。
会を重ねるごとに制作したアート作品が増えて行き、
里山の中に溶け込む風景になっていく。

大地がまるごとよろこんでいる。
そんなお祭りは、2000年から今年で7回目を迎え、
50万人近くが世界中から来場する国際芸術祭になった。

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薄景子 18年9月30日放送

180930-04
Photo by Fabian Struwe
大地のはなし ゲーテの言葉

ドイツの劇作家、ゲーテは言った。

 世界は君達に大きく開かれている。

 どしどし遠慮なく進むがいい。

 大地は広々とつづき、
 空は広大無辺にひろがっている。

何かに行き詰ったときこそ、
無限の大地を感じる場所へ旅しよう。
ちっぽけな自分の存在に気づいたとき、
その大地は、遠慮なく前進する勇気をくれる。

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小野麻利江 18年9月30日放送

180930-05
Photo by Daniel Sturgess
大地のはなし 大地を深掘りしていくと

大地の成分は、岩と土。

マグマが急速に、あるいは、
ゆっくりと冷やされたことで、できた岩。
生物の死骸が集まり、積み重なって、できた岩。
そんな岩たちが水や風で砕かれたり、
地下の奥深くで強い作用を受けたりして、できた岩。

それら岩石の細かい粒子がベースとなり、
そこに火山灰や、
動物・植物・微生物の死骸と排せつ物、
微生物によって分解された有機物などが
混じり合って、土になる。

土の中にはたくさんのすき間があり、
そのすき間は水と、
二酸化炭素や窒素を多く含んだ空気で満ちている。
たくさんの微生物や、動物たちも生きている。

大地を深掘りしていくと、
はるか宇宙の、
見知らぬ惑星のような風景が見えてくる。

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小野麻利江 18年9月30日放送

180930-06

大地のはなし 『菜根譚』より・天地と心根

 天地は、元来、広大なものであるが、
 心根の卑しい者が、自ら狭くする。

これは、明の時代末期の中国で書かれた、
『菜根譚』という処世訓の中にある言葉。

すべては心の持ちかた次第。
いまの自分の環境が
何だかせせこましいなと思ったら、

視野を広げて、広い自然・広い大地の中に、
身を置いてもいいのかも。

それをするには、
これからますます、いい季節です。

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茂木彩海 18年9月30日放送

180930-07
Photo by Gabriel Jimenez
大地のはなし 癒しの土

動物たちはミネラル不足を補うために
自ら進んで土を食べることがあるそうだが、
ネイティブ・アメリカンたちも土を「イワーキー」と呼び、
心労回復のために食べる習慣があるという。

イワーキー。意味は、癒しの土。

大地はいつでも動物たちの亡骸を静かに受け止め、木々を育て続ける。
数百万年もの間、優しく、ゆっくりと。

私たちの足元には、そんな究極の癒しが広がっている。

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茂木彩海 18年9月30日放送

180930-08

大地のはなし 土偶の秘密

女性や妊婦、精霊を表現して作られたと言われている
土から生まれた偶像、土偶。

土偶が盛んに作られた縄文時代は、世界にも類を見ない平和な時代であり、
1万年という長い年月でありながら争いで人が死ぬことなど
ほとんどなかった、と言われている。

現代人が夢見る争いのない社会。

縄文時代の平和な大地から生まれた彼女たちなら
その秘密を知っているのだろうか。

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