2018 年 9 月 のアーカイブ

厚焼玉子 18年9月29日放送

180929-03
京浜にけ
台風

9月は台風の季節。
台風の恩恵のひとつに「洗う」と言う役割がある。

台風で川が増水すると、濁った水があふれているが
その後は見違えるほどキレイになった川底が見える。
川底のゴミやヘドロ、
石についたコケもさっぱりと洗い流されている。

毎年産卵にくる鮎も
四万十川の青海苔も
台風で洗われた石がないと繁殖できない。

台風が去った夜に星を見ると
いつもより多いことに気づくだろう。
台風は空気も洗ってくれるらしい。

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厚焼玉子 18年9月29日放送

180929-04
tetsukun0105
台風

9月は台風の季節。
台風の恩恵のひとつに「まぜる」と言う役割がある。

台風によって海の底の冷たい水と
表面の温かい水がまざりあい、ほどよい水温になるし、
酸素が足りない深海に酸素を供給する。

何年かまえに台風が来なくて海水の温度が上がり、
沖縄の珊瑚が死滅するという危機があった。
珊瑚が死んでしまうと、そこで暮らす生き物たちも
生存の危機を迎える。

珊瑚礁は台風に守られているのだ。

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厚焼玉子 18年9月29日放送

180929-05
松岡明芳
台風

9月は台風の季節。
台風の恩恵のひとつに「運ぶ」と言う役割がある。

土砂を運び、海に砂浜をつくる。
赤道の熱エネルギーを温帯地方に運ぶ。

身近なことで言えば、川沿いに咲く彼岸花。
彼岸花は必ず人里に咲く。
もし人里離れた川沿いに咲いている彼岸花があれば
上流の村から土砂に混じって流されたと思っていいそうだ。

木や草の種を思いがけない遠くへ運ぶのも台風だ。
海から顔を出したばかりの新しい島に
いつの間にか草が生えている。
虫も台風の風に乗ってやってくる。

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森由里佳 18年9月23日放送

180923-01
*- mika -*
月と、月見草

月見草という花がある。

夜にひっそりと咲く姿から、
誰が思ったのだろうか、
密やかな恋、という花言葉をもっている。

しかし、月見草は、ひかげを好むわけではない。
他の花と同じように、あかるいひなたを好むのだ。
それなのに、いざ咲くとなると、夜を選んでそっと咲く。

多くの花が太陽に恋をしているとするならば、
月見草は、月に恋しているのだろう。

明日はお月見。
誰を想って、空を見上げてみましょうか?

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森由里佳 18年9月23日放送

180923-02
bobfamiliar
月と、海

餅つきをするウサギの形や、
立派なはさみのカニの形。
女性の横顔だという人もいれば、
本を読むおばあさんだという人もいる。

月の模様は、昔から、
さまざまに例えられてきた。

ギリシャの先人が空を見上げて星座を描き出したように、
多くの人が一度はその目を細めて考えたことがあるだろう。

月の模様をつくり出しているのは、
月の表面にある高低差。
黒っぽく見える低い平原には、名前がついている。

美しいその名は「月の海」。

万物の母である海は月にあってなお、
私たちの想像力をも育ててくれているというわけだ。

明日はお月見。
久しぶりに見上げてみては、いかがですか?

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佐藤日登美 18年9月23日放送

180923-03
Yohei Yamashita
月と、月見うどん

十五夜が近づくこの時期、
「月見」を冠した食べ物が街をにぎわす。
その元祖といえば、月見うどんや月見そば。

夜空に群がり立つ雲「群雲」を見立てた海苔をうどんやそばの上に敷き、
生卵を割り入れて汁と薬味を添える。
もともとは海苔と卵がセットで「月見」だったが、
今は卵だけで成立することが多い。

ちなみに、鍋焼きうどんに落とされた卵は
火が通って黄身が見えづらくなるため、「月見」とは呼ばない。

明日はお月見。
ご一緒に、海苔と生卵を乗せたうどんやそばはいかがですか。

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佐藤日登美 18年9月23日放送

180923-04

月と、タロット

タロット占いに使われるカードに、「月」が描かれている一枚がある。

太陽にも見える月が描かれ、地上に月光が降り注ぐ。
その下には塔のような建物と、
月に向かって吠える二匹の犬、そして水際にいるザリガニ。

一見神秘的な絵柄だが、実はカードとしてはあまり良い意味ではない。
正位置で出ると不安や変化、迷いを表しており、
それゆえカードのなかの犬は恐怖で吠えているという。
しかし、月のカードが逆位置で出た場合は
その不安な状況から脱却できるというお告げ。

もちろん、その結果をどう受け取るかはあなた次第だけれど。

明日はお月見。
タロット占いをしながら月を見上げる、
というのもいいかもしれません。

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佐藤日登美 18年9月23日放送

180923-05

月と、Fly me to the moon

月を歌った名曲、“Fly me to the moon”。
1954年のリリース以来、さまざまなアーティストがカバーしているが
最も有名なのはフランク・シナトラのバージョンだろう。

シナトラが曲を発表した1960年代、アメリカは「アポロ計画」の真っ只中。
「私を月に連れていって」と歌うこの曲と時代がマッチした。
テーマソングのように歌われた”Fly me to the moon”は
アポロ10号・11号に積み込まれ、
宇宙飛行士たちは月に向かいながらシナトラの歌声に耳を傾けた。

明日はお月見。
シナトラと一緒に月を見るのはいかがですか。

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蛭田瑞穂 18年9月23日放送

180923-06

月と、太陽

月の直径は約3千5百キロメートル。
太陽の直径は約140万キロメートル。

地球から月までの距離はおよそ38万キロメートル。
地球から太陽までの距離はおよそ1億5千万キロメートル。

月よりも400倍大きい太陽は、
月よりも400倍地球から離れているため、
地球から見ると月と太陽はほぼ同じ大きさに見える。
皆既日食が起こるのもそのため。

これはただの偶然。
ただの偶然だけれど、私たちには奇跡に思える。

明日はお月見。

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蛭田瑞穂 18年9月23日放送

180923-07

月と、模様

月が自転する周期は約27.3日。
月が地球を回る周期も約27.3日。

月の自転周期と公転周期は完全に一致しているため
地球のどこから見ても、月は同じ面を向いている。

そのためだろうか、月の模様が何に見えるかは
古今東西の人々の関心を集めてきた。

日本では餅をつく兎。
中国では不老不死の薬をつくる兎。
ベトナムでは木ノ下で休む男性。
ロシアでは少女。
アラビアでは吠えるライオン。

明日はお月見。
大昔から世界中の人々が見てきた月の模様を
ゆっくり眺めてみませんか。

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