礒部建多 18年10月14日放送
浮世絵を育てた男
菱川師宣、葛飾北斎、歌川広重。
浮世絵を、日本を代表する芸術へ押し上げたのは、
彼らのような絵師の功績だけではない。
美術商だった林忠正。
ジャポニスムに沸くパリを拠点に、
世界中を周り、日本美術を広めた。
当時はまだ価値も知られていなかった、
数多くの浮世絵作品を海外に流出させ、
巨額の富を得た為に、国内で反感を買った。
売国奴と呼ばれたこともあった。
しかし海外からの評価が上がったことで、
国内でも一級の芸術品として、
広く認識されるようになったのだ。
絵師たちが生んだ作品を、林が名作へと育て上げた。
そう言っても過言ではない。