2018 年 11 月 のアーカイブ

澁江俊一 18年11月11日放送

181111-05
aron1937
食欲と進化

秋と言えば食欲の秋。

この食欲とどう向き合うかが、
人類の進化につながったという説がある。
サルはエサをはさんで向かい合うと
弱いほうが手をひっこめる。
強い者が独占する。それがサル社会のルールだ。

しかし類人猿は食物を分配する。
しかも弱いほうが強い方に
それをねだって獲得するのだ。
類人猿のルールでは
サルとは真逆の方向に食物が移っていく。
 
人間はもっと気前よく
相手と一緒に食べようとする。
だからこそ助け合う関係が生まれた。

こういう説を聞くと
人間って捨てたもんじゃないと思えてくる。
さて今夜は誰と、何を食べようか?

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田中真輝 18年11月11日放送

181111-06
erin & camera
カワイイ臓器

秋と言えば食欲の秋。

お腹いっぱい食べて満腹のはずなのに、デザートを
見ると食べたくなる。いわゆる「別腹」。
もちろん、胃袋が二つあるわけもなく、
この別腹、いったいどこにあるのか。
実は人間の食欲は、脳からの命令によって
コントロールされている。

大好きな食べ物を見ると、脳の視床下部から、
「オレキシン」というホルモンが分泌され、
このホルモンが、胃袋の蠕動運動を刺激すると…
あら不思議。さっきまで一杯だった胃袋に
新たなスペースが生まれる、という仕組み。

英語ではdessert stomachとも言う別腹だが、
つまり、デザートに限らず、肉でも魚でも
大好物が出てくれば、別腹は生まれるということ。

食べたい気持ちに反応して頑張ってくれるなんて、
胃袋って、なんだかカワイイ臓器だな、と思えてくる。

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田中真輝 18年11月11日放送

181111-07
銀猫 夏生
おいしい一瞬

秋と言えば食欲の秋。

コマーシャルやテレビ番組などで、食品を美味しそうに
見せる映像を「シズルカット」と呼ぶ。
もっとシズル感を強く、というのは、
もっと美味しそうに、という意味だ。

この「シズル」という言葉、
肉がジュージュー焼けて、肉汁がしたたり落ちている
様子を表す英語が由来だという。
「シズル感」は、食品のコマーシャルではとても重要な要素。
一瞬で美味しそう!と思わせられるかどうかに
制作スタッフは心血を注ぐ。

ふわっと立ち上る湯気、グラスの表面を流れ落ちる水滴、
シズル感溢れる瞬間をとらえるために、何時間も撮影を
続ける。あなたが美味しそう!と感じたその一瞬は、
膨大な撮影素材の中の、一番おいしいひとくちなのだ。

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澁江俊一 18年11月11日放送

181111-08
shiniwate.kouhou
食欲と昆虫

秋と言えば食欲の秋。

少しだけ未来の食欲の話をしよう。
今、新たな食料として昆虫が
注目されているのをご存知だろうか?

コオロギやバッタ、芋虫など
タンパク質や脂質が豊富で
必要な栄養を満たす昆虫は多いという。
しかもアンモニアやメタンガスを出す家畜より、
地球にダメージを与えにくい。

蜂の子やイナゴなど
日本ではもともと昆虫をよく食べていたから
心理的ハードルは、意外と低いはずだ。

この星の人口は今後も増え続け
いずれは食糧難も予測されている。
人類が昆虫を見る目も、変わるべき時かもしれない。

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厚焼玉子 18年11月10日放送

181110-01
vicjuan
東京の紅葉

日比谷公園の木々は
11月上旬から色づきはじめる。

イチョウ並木にハナミズキの林、
藤棚の藤の葉も黄色に染まる。
鶴の噴水のあるあたりでは
黄色のイチョウと真っ赤なモミジが隣り合わせで
美しさを競う。

見ごろは今月の末から12月の初めだが、
木の種類によって美しさのピークが違うので
お昼休みに立ち寄れるかたは
どうぞお見逃しなく。

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厚焼玉子 18年11月10日放送

181110-02
HAMACHI!
東京の紅葉

11月も下旬になると
神宮外苑のイチョウが金色に染まる。

このイチョウ並木のイチョウは
遠近感を強調するために背の高い順に並んでいる。
外苑の秋の、絵のように美しい風景は
計算して作られたものだったのだ。

今年の神宮外苑のイチョウ祭りは11月16日から。
23日からはライトアップもはじまる。

東京には紅葉の名所がたくさんある。
まずは足元の名所を楽しんでみよう。

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厚焼玉子 18年11月10日放送

181110-03
yuki_alm_misa
東京の紅葉

新宿御苑で紅葉の見どころ情報が出たのは
去年は11月17日だった。
ユリノキや桜はすでに見ごろを迎えており、
日本庭園のカエデも木によっては美しく色づいていた。

この時期は気温の変化で紅葉がどんどん進む。
11月24日には
新宿御苑は紅葉のベストシーズンと案内された。

広大な新宿御苑の秋は紅葉だけではない。
ヒマラヤザクラが咲き、
寒椿の花も見ごろを迎える。
ツワブキの黄色い花、南天の赤い実。
秋の色彩の贅沢を味わってみよう。

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厚焼玉子 18年11月10日放送

181110-04
Dick Thomas Johnson
東京の紅葉

桜の名所は紅葉の名所でもある。
サクラモミジという言葉があるほど
桜の葉の紅葉が美しいからだ。

例えば靖国神社。
参道のイチョウ並木、池のほとりの真っ赤なモミジ、
そして、春にはお花見をした桜が
葉を秋の色に染めて迎えてくれる。

千鳥ヶ淵、アークヒルズの桜坂、八重洲さくら通り
身近な桜の名所を思い出そう。
そこには必ず美しい紅葉があるはずだ。

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厚焼玉子 18年11月10日放送

181110-05
アディクト
東京の紅葉

紅葉の名所六義園は
幕末まで甲府藩主柳沢家の下屋敷だった。
江戸を襲ったたびたびの火災をまぬがれ、
関東大震災の被害もほとんど受けず、
東京大空襲に焼かれることもなく、
大名家の庭園の姿を保ってきた。

六義園にはおよそ400本のカエデの他に
ハゼやイチョウの木があって
紅葉の最盛期にはライトアップをして
開演時間も延長される。

丘があり池があり、滝がある
美しい六義園は、もうすぐ秋の色に染まる。

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大友美有紀 18年11月4日放送

181104-01

「泉鏡花」金沢生まれ

今日は小説家、泉鏡花の誕生日。
1873年、明治6年の11月4日に
石川県金沢に生まれた。本名は鏡太郎。
生家は今、記念館になっている。
主計茶屋街、ひがし茶屋街にほど近い場所。
父は金細工の職人、母は江戸、下谷の生まれ。
能楽に関係のある家の出だった。

 鏡花が数えで10歳の時、
 母が28歳で亡くなる。
 この母の死が鏡花の文学に
 大きな影響を与えている。
 
彼の物語には、母の面影を感じる女性が多く描かれる。
そして、能や狂言をモチーフにした小説も多い。
明治から昭和に生きた作家の
雅で妖艶な作品の源流を感じる。

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