礒部建多 18年12月9日放送
Aozora-UmiDaichi-(青空海大地)
雪の知らせ
雪の結晶の形は、
35種類に分類されると言う。
しかし分子レベルで見れば、同じ結晶はひとつもない。
中谷宇吉郎は、その美しさに魅せられ、
雪について研究を重ねた物理学者だ。
上空の湿度や温度、
様々な条件によって、結晶の形は少しずつ変わる。
つまり、その形を見れば、
気象状態などがつぶさにわかると言う。
3000枚もの結晶の写真を収集してきた中谷は、
こんな言葉を残している。
「雪は天から送られてきた手紙である。」
静かに降り注ぐ雪も、
中谷にとっては雄弁であったのだ。