大友美有紀 19年2月3日放送
Uberprutser
それがオランダ 指の少年
オランダを救った少年のお話をご存知だろうか。
ある日の午後、ハンス少年は堤防に小さな穴が開いて、
水が流れ出ているのを見つけます。
この穴を放っておいたら、村は水びたしになる。
ハンスは慌てて穴を指でふさぎます。
穴は広がり、手首まで、腕の付け根まで使って
ようやく水は止まりました。
けれど、夕方になり、夜になっても誰も通りません。
ハンスは、腕を引き抜いたらオランダ中が洪水になってしまうと
必死でこらえました。
明け方になり、苦しみ呻く少年の声を聞きつけた大人たちが、
やってきて、ようやくハンスは助け出されました。
実は、この話、アメリカの女流作家の創作。
オランダ人にハンスの話をたずねると、
「指の少年だろ。アメリカ人が考える典型的なオランダ人さ」と答えるという。
そしてオランダのあちこちに堤防を守るハンスの像がある。
オランダでは、指の少年は特別英雄視されてはいない。
水と戦い、村を守るのは当たり前のこと。
ハンス像は、アメリカの観光客のためにあるのだ。