渋谷三紀 19年2月9日放送
スキャンダル文学史 白蓮、恋の脱走劇
望まぬ結婚だった。
炭鉱夫から巨万の富を築いた伝右衛門に嫁いだ、
白蓮こと柳原燁子。
財はあっても文化的喜びのない暮らし。
それでも伝右衛門を愛そうとした
燁子の気持ちは、幾度も裏切られた。
自分は「華族出身の美人を嫁にした」と自慢したい
夫の道具にすぎないのだと悟ったとき、
かたわらには七つ年下の青年、宮崎龍介がいた。
龍介のもとに走り妻となった燁子は歌人として、
女性を救う活動家として息を吹き返す。
残された夫、伝右衛門の逸話も美しい。
「一度は惚れた女だから」と、
罪に問うことなく燁子を許したという。