2019 年 2 月 10 日 のアーカイブ

松岡康 19年2月10日放送



暗い家

デンマークの家は、暗い。
シーリングライトで部屋全体を照らしたり、
蛍光灯で白く明るく照らすのではなく、
低い位置にやわらかい照明を使用することがほとんどだ。

夏、緯度が高いデンマークでは、
太陽が沈んでも濃く青い空が数時間も続く。
デンマークの人々は、その時間をブルーアワーと呼び、
とても大切にしている。
暗くやわらかい照明は、
そのブルーアワーを引き立ててくれるのだ。

日本では明るい家が多い。
たまには家の蛍光灯を落として、
デンマークの人々の様に
日没後のうつろう空の色を楽しんでみてはいかがだろう。

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奥村広乃 19年2月10日放送



ブルーラグーン

温泉大国ニッポン。
この国には3,000を超える温泉地があるという。
では、世界最大の露天風呂はどこにあるか。
答えは、北欧・アイスランド。

広さ7,000平方メートル。
名前は、ブルーラグーン。
お湯の色は神秘的なミルキーブルー。
美しく、幻想的な景色に浸ろうと
世界中から観光客が集まってくる。

温泉の中には、
お酒を売っているバースペースも。
あったかい温泉で飲む、
キンキンに冷えたビール。
最高の贅沢。
温泉好きなら、
一度は体感してほしい名湯。
おとずれる際は水着をお忘れなく。

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澁江俊一 19年2月10日放送



SISU

フィンランドには
SISU(シス)という言葉がある。
日本語であえて言うなら
「大和魂」のような
心のありようを意味する言葉だ。

1939年。隣国ソ連と
冬戦争という過酷な戦争を戦ったフィンランド。
兵力には雲泥の差があり
他国からの支援もほとんどなかったが
マイナス40度という極寒の寒さと
自国の雪と森と湖を味方にしたフィンランド軍は
ソ連軍と勇ましく戦い、独立を守った。
まさにSISUの勝利だった。

とはいえSISUは根性論ではない。
逆境を前向きにとらえる力だ。
冬の寒い湖で泳いだり
雪の日にあえて散歩をしたり
苦手なことにあえてトライしたり
フィンランドならではの
人生の楽しみ方でもあるのだ。

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松岡康 19年2月10日放送


ruminatrix
休憩の文化

スウェーデン人は
フィーカと呼ばれる休憩時間を
とても大切にしている。

フィーカの時間には、家族、恋人、同僚などと一緒に、
スイーツとコーヒーを楽しむ。
たとえ仕事中であっても、みんなちゃんとフィーカをとるため、
フィーカが行われる朝10時と午後3時には、
メールを出しても返信が遅くなるらしい。

さらにフィーカをしていないと、
上司から怒られることもあるんだとか。
しかもスウェーデン、
世界的に見てもトップクラスの生産性を誇る。
休憩を上手に使い、上手に働く。
日本人が彼らに学ぶことは多い。

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澁江俊一 19年2月10日放送


VisitLakeland
サウナと日本

フィンランドと日本はよく似ている。
言語も性格も食文化も歴史も似ているのだが
中でも似ているのは
大自然の中で裸になる、あの体験。
そう、日本人が温泉を愛してやまないように、
フィンランド人はサウナを愛している。

日本に銭湯があるように
公衆サウナが町中にあり
日本に露天風呂があるように
湖のほとりにサウナがあるフィンランド。

日本にサウナが広がったきっかけは
1964年の東京オリンピック。
世界中からやってくる選手たちの要望で
選手村にサウナがつくられた。
そこから日本中にサウナが広まった。

フィンランドはサウナ発祥の地。
サウナで汗を流した後に
美しい湖に裸で飛び込む。
あの体験は日本人にとっても
この上ない幸せにちがいない。

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礒部建多 19年2月10日放送


Kristian Kangasniemi Photography
北欧メタル

北欧は、メタルミュージック先進国である。
メタルバンドの数は、
スウェーデン、デンマーク、ノルウェーを含む
スカンジナビア半島で高く、
特にフィンランドでは、
人口10万人あたり53.2組と、世界トップだ。

その理由は諸説ある。
メタルのエモーショナルな暗さは、
北欧の長く寒い冬を映し出すものだという説や、
メタルの持つ怒りや暴力性は、
北欧のヴァイキングと呼応するという説もあったとか。
もちろん、本当の理由は分からない。

しかし事実として、
北欧諸国では国が教育の一環で
音楽活動・バンド活動に対して
資金や場所を手厚くサポートしてくれるのだ。
すべての文化や、創造性を支援する。
寛容で温かな国民性だからこそ育まれたのは、
間違いなさそうだ。

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奥村広乃 19年2月10日放送


Roo Reynolds
グトルフォス滝

アイスランド最大の滝。
その名もグトルフォス。

アイスランド語で「黄金の滝」という意味だ。
最大幅は約70メートル。
最大落差は約30メートル。
20世紀初頭、
この滝一帯に水力発電所の建設が計画された。
自然を壊す大工事。
計画に反対した少女が
滝壺に自らの身を投じようとしたことで、
工事は中止された。

雄大で、時には厳しい顔を持つアイスランドの自然。
これほどの景色が残っているのは
そこに暮らす人々が
自然を大切にしてきたからに他ならない。

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礒部建多 19年2月10日放送


Doug Oines
ニッケルハルパ

スウェーデンの伝統楽器「ニッケルハルパ」。
「ニッケル」は鍵盤を意味し、
「ハルパ」はハープを意味する。
形はバイオリンに似て弓で弾くが、
弦ではなく、鍵盤を押さえて演奏する。

4本のメロディーを鳴らす弦のほかに、
12本もの共鳴させる弦を持つのも特徴的だ。
構造は複雑だが、演奏は簡単で、初心者でも扱いやすい。

その音色はとても豊かで、
16本の弦が織りなす、エコーがかかったような柔らかい響き。
どこで弾いても、
まるで天井の高い教会で演奏しているかのように、音に包み込まれる。
国の持つ豊かさは、きっと楽器にも宿るのだろう。
繊細かつ雄大な音色を、是非試してみてほしい

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