薄景子 19年2月24日放送
SeanJCPhoto
雪のはなし 鳴き雪の音
雪の上を歩くときに聞こえる、かわいい踏み音。
まるで雪が鳴いているように聞こえることから
「鳴き雪」というらしい。
その音は、雪の質や、気温や湿度、靴や踏み方によって、
楽器のように変化し、気温が低いほど高音になるという。
キュッキュッ、ギュッギュッ、サクサク、ザクザク。
どの音にも親しみを感じるのは、
鳴き雪の音が、人間の声の周波数に近いからかもしれない。
季節の音に耳を澄ませ、その微細な変化で
新しい季節の訪れを知る。
雪の音、風の音、せせらぎの音。
耳を澄ませば、少しずつ、春は近づいている。