福宿桃香 19年3月9日放送
切手のはなし 点字の切手
点字郵便物というものをご存知だろうか?
第四種郵便物にあたるそれは、点字のみで書かれた手紙のこと。
日本国内では3㎏以下のものであれば、
切手を貼らずに無料で送ることができる。
だが、目の見えない方たちが
切手をたのしめる機会がないわけではない。
世界には数多くの点字切手が存在するからだ。
初めて点字入りの切手を発行したのはブラジル。
1974年のことで、エンボス加工で点字が浮き彫りになっているものだった。
ベネズエラ、ウルグアイ、デンマークなども次々とそれにつづき、
日本からも2種が発行された。
これらの点字の内容は切手の額面であることが多いが、
中には切手のデザインにあわせて
「クリスマスおめでとう」などのメッセージを記したものもあった。
点字をなぞれば、情景が浮かぶ。
切手がただのお金ではなく、見てたのしめる芸術品でもあることは、
目の見えない方にとっても同じなのだ。