星合摩美 19年3月10日放送
kanegen
イチョウの木
墨田区の稲荷神社の一角に、
樹齢600年とも言われるイチョウのご神木がある。
悠々と葉を茂らせている大木だが、
よく見るとその幹は真っ黒に焼け焦げている。
幹を焼いたのは、東京大空襲の焼夷弾だった。
一夜にして10万人を超える市民が炎に包まれ命を落とした。
中でも被害が大きかった墨田区は総面積の9割以上を消失したが、
このイチョウは炎に焼かれながらも、
逃げ集まってきた人々に降りかかる火の粉を払い、
盾となり、町の延焼をも食い止めた。
人々は命を救ってくれたその木を「身代わり焼けイチョウ」と呼んだ。
今日3月10日は74年前に東京大空襲があった日。