河田紗弥 19年3月17日放送
ちいさなフルコース 日の丸弁当
弁当箱いっぱいに詰められた白いご飯に、
アクセントとなる酸味と赤い色を添える梅干し。
平安時代から漢方薬として扱われてきた梅干しは
保存性に優れ、抗菌・防腐作用があり、
解熱や疲労回復にも効果があるとされる。
そして、日露戦争が始まったころには、
軍需用としても需要が高まり、
ご飯の真ん中に梅干しを埋めた
日本の国旗のデザインに似た日の丸弁当が食された。
今となっては、質素なお弁当のイメージである日の丸弁当だが、
当時は、貧しい家の子どもは、
ご飯に野菜屑などを混ぜて量を水増ししていた。
そのため、白いご飯に、良質な梅干しのお弁当を持参できる
豊かな家の子どもの弁当は
羨望や憎しみの対象になったんだとか。