2019 年 5 月 のアーカイブ

石橋涼子 19年5月26日放送



Beautiful Harmony 仕事と植物

平成が終わる頃には、だいぶ浸透した
ワーク・ライフ・バランス。
とはいえ、生きている以上は、
それなりのワークタイムが必要なわけで。

海外のとある調査では、労働環境の過半数は
自然の光や緑のない人工的な環境だという。
一方、オフィスに植物など自然物があると
生産性と幸福度が上昇するという調査報告もある。

難しいことはさておき、
自然に触れて「ホッとした」経験は
多くの人にあるものではないだろうか。

デスクに小さな観葉植物を置くだけでも、
ストレス軽減には十分だという。

令和は英語でBeautiful Harmony。
一人ひとりの心身の美しい調和が、
きっと、新しい時代の調和をつくる。

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石橋涼子 19年5月26日放送


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Beautiful Harmony 進化する歌舞伎

400年以上の歴史を持つ歌舞伎は、
伝統芸能でありながら、進化する大衆文化でもある。

客との距離を縮める花道や、
ひとりが何役も演じる早変わりなど
舞台演出的な発明だけではない。
回り舞台や床が上下するセリなど、
時代の先端技術も積極的に活用し続けている。

現在でも、アニメを題材とした演目や、
プロジェクションマッピングなどの
最新テクノロジーを駆使した演出が話題を集めている。

古典から数えて1000以上の演目がある歌舞伎だが、
今でも年に数本ずつ新作が生まれ続けている。

安定と調和という言葉は、一見すると似ている。
しかし、安定には変化がない。
そして、調和はバランスを取る努力を要するが、
水の流れのように常に変化があり、進化がある。

令和は英語でBeautiful Harmony。
過去と現代の美しい調和で
進化をたのしむ時代が始まった。

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熊埜御堂由香 19年5月26日放送


puffyjet
Beautiful Harmony 幼老複合施設

宮崎駿監督の映画、崖の上のポニョ。
主人公の宗介は、老人ホーム「ひまわりの家」の
お隣りの保育園、「ひまわり園」に通う。
これは宮崎さんが、ずっと構想していた
理想郷、イーハトーブ町を映画の設定にしたという。

そんな宮崎さんの未来予測がいま、
「幼老複合施設」と呼ばれ現実になっている。
老人ホームと、保育園や小学生の学童保育を併設するような、
子どもと高齢者が一緒に過ごせる施設だ。
そこではさまざまな調和が生まれている。

仕事で、お母さんの帰りが遅くなる時には
おばあちゃんが面倒を見てくれる。
昔あそびを教えてくれたり、
時には厳しく叱ってくれることもある。

学校が終わり、子どもたちが「ただいま」と言って
ホームに入ってくるとみんなで「おかえり」と出迎える。
すると、いままで、家に帰りたいと落ち込んでいた
おじいちゃんの表情がガラッと明るくなる。

令和は英語でBeautiful Harmony。
少子高齢化をネガティブに捉える見方もある。
でも、光の当て方を変えれば、
みんなが協力して生きていく時代とも言える。
さぁ、和気藹々と。令和の時が流れますように。

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薄景子 19年5月26日放送


Sugikats
Beautiful Harmony 二十四節気七十二候

自然を愛しむ国、日本には、
季節の変化を細やかに表現する暦がある。

一年を二十四の季節に分けて表す暦、
二十四節気(にじゅうしせっき)。
そして、それをさらに約5日ごとに分けて
より繊細に季節のうつろいを表現する、
七十二候(しちじゅうにこう)。

春夏秋冬ですら、味わいきれずに
時の流れが加速してゆく現代に
こうした暦は教えてくれる。

自然の微細な変化を感じとる心があれば、
時は美しく穏やかに流れてゆくのだと。

令和は英語でBeautiful Harmony。
美しい自然と調和して生きた先人の感性を
この時代にこそ味わいたい。

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小野麻利江 19年5月26日放送


Photo by rawpixel.com from Pexels
Beautiful Harmony 五味の調和

甘い・辛い・酸い・苦い・塩辛い。
それらを五つの味、「五味(ごみ)」と呼び
食べ物を分類する考え方が、漢方にはある。

五味は人体の「五臓」と深く関係していて、
酸っぱい味は肝や胆に。甘い味は胃に。苦い味は小腸に。
というように、
口から入った食べ物は、
味ごとにそれぞれ違う臓器に働きかけると考えられている。
五味のバランスを考えた食事をとることが
五臓の調子を整えて健康を維持するとされ、
これを、「五味調和」と呼ぶ。

令和は英語でBeautiful Harmony。
新しい時代も美味しいものを賢く食べて、
身体の中にも、いい調和をもたらそう。

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小野麻利江 19年5月26日放送



Beautiful Harmony ハーモニーの語源

調和を意味する「ハーモニー」という言葉の語源は、
実は、「夫と一緒に蛇に変わってしまった」女神の名前。

ギリシャ神話に登場する女神、ハルモニア。
美の女神・アフロディーテが
戦いの神・アレースと浮気をして生まれた。
アフロディーテの実の夫である
鍛治神・ヘーパイストスはこれにいたく嫉妬し、
復讐の矛先は、ハルモニアへ向けられた。

都市国家テーバイの始祖・カドモスと
ハルモニアが結婚したさい、
ヘーパイストスは、呪いをかけた首飾りを贈った。
その首飾りの呪いによって、カドモスは蛇に変えられてしまった。
ハルモニアは夫をずっと抱き続け、
最後には自らも蛇に変わってしまうという「調和」を果たしたという。

令和は英語でBeautiful Harmony。
ギリシア神話の神々のような
諍い(いさかい)とは無縁な、
穏やかな調和の時代を、願うばかりである。

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茂木彩海 19年5月26日放送



Beautiful Harmony 君が代の音階

「君が代」を聴く機会があると
他の国にはない、独創的な国歌だと改めて気づかされる。

最大の特長は、なんといっても
手拍子が打てない流れるようなメロディーと、独特な音運び。

日本独自の音階は、「四七(ヨナ)抜き音階」呼ばれ、
ハ長調である「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の場合で考えて
4番目の「ファ」と7番目の「シ」を抜いた音階、ということになる。

なじみが無いようにも感じるが、
演歌やJ-POPにも広く使われており、
古くから日本人の耳になじみやすい音階と言える。

令和は英語でBeautiful Harmony。
日本ならではの美しい音使いに耳を傾ける。
そんな年にしてみるのも良いかもしれない。

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茂木彩海 19年5月26日放送


Nam2@7676
Beautiful Harmony 生け花のバランス

日本発祥でありながら、世界的にファンも多い生け花。

欧米のフラワーデザインでは
統一されたフォルムであることが評価されるが、
生け花は、花だけでなく、時に枯葉を使ったり、
木の枝をあえて曲げたりしながら
全体のバランスを見て、空間を美しく見せることに評価が置かれる。

令和は英語でBeautiful Harmony。
生け花に限らず、アンバランスな調和に美を見出す日本人。

時代の変わり目に、日本ならではの美意識をあらためて意識する。

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古居利康 19年5月25日放送



英一蝶・島一蝶

元禄十一年。
江戸の絵師、英一蝶(はなぶさいっちょう)が島流しに遭った。

行き先は三宅島。
その罪状は諸説あって定まらない。

時の権力者、柳沢吉保が
おのれの出世のために、
自分の娘を公方様に差し出した。
そんな醜聞を揶揄する絵を描いたのが
致命的だったんだ。

いやいや、
生類憐れみの令で禁じられていた
魚釣りをしたせいさ。

当世の人気絵師を襲った過酷な運命。
口さがない江戸っ子の噂が噂を呼んだ。

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古居利康 19年5月25日放送



英一蝶・島一蝶

英一蝶という絵師がいた。
四十七歳で三宅島へ島流しになった。

島へ送られるその日、
江戸霊岸島に大勢の見送りが詰めかけるなか、
一蝶はこんな約束をする。

「島に行ったら、
 干物をつくって生計を立てる。
 その魚のエラに必ず松の葉を入れておく。
 松の葉の入った干物を見つけたら、
 わたしが生きている証しと思ってほしい」

三年後、
じっさいに松の葉が入った干物を
見つけた男がいる。
松尾芭蕉の一番弟子、宝井其角。
英一蝶の、無二の親友だった。

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