風 風の神さま
風の神様、ときいて、
金屏風に描かれた風神雷神図を思い出す人もいるでしょう。
青い鬼のような見た目をした風神が、
白い布を頭上にたなびかせ、
対となる雷神と共ににらみを利かせる有名な絵。
この白い布は、風を蓄えた袋だと言われますが、
実はこの風神のスタイルは、日本固有の物ではありません。
風の袋を持つ神をうつした美術品は、
なんと、およそ1900年前のアフガニスタンの地でも発見されています。
大陸を超えて吹く風のように、
文化もまた、自在に世界をめぐるのですね。
風 風の神さま
風の神様、ときいて、
金屏風に描かれた風神雷神図を思い出す人もいるでしょう。
青い鬼のような見た目をした風神が、
白い布を頭上にたなびかせ、
対となる雷神と共ににらみを利かせる有名な絵。
この白い布は、風を蓄えた袋だと言われますが、
実はこの風神のスタイルは、日本固有の物ではありません。
風の袋を持つ神をうつした美術品は、
なんと、およそ1900年前のアフガニスタンの地でも発見されています。
大陸を超えて吹く風のように、
文化もまた、自在に世界をめぐるのですね。
Tim Ertl
風 祈りの音へ
アドリア海に面した国、クロアチアの海沿いに、
不思議な和音が響き渡る場所がある。
名はザダル。
1991年から約5年の間つづいた内紛で
戦渦に巻き込まれた街のひとつだ。
その海岸の一部に、
楽器のような仕掛けをつくったのは、
クロアチア出身の建築家、ニコラ・バシッチ。
故郷の平和を祈ってつくられたこの仕掛け。
和音の奏者はなんと、波がつくりだす海風だ。
きっと今この瞬間も、
平和を願う、祈りの和音になったアドリアの海風は、
ザダルの街を吹いている。
bichxa
風 春の風
自然豊かな日本には、100を超える風の呼び名がある。
その種類は、風の吹く時期、強さ、方角などによって様々だ。
例えば、今の季節の風は、
みどりの風と書いて「緑風(りょくふう)」、
若葉を揺らす様子から「若葉風(わかばかぜ)」などいかにも清々しい。
少し変わった呼び名の風もある。
我が家の方から吹いてくる風を「家風(いえかぜ)」、
艶めかしく感じる風は「色風(いろかぜ)」
今夜、あなたの街にはどんな風が吹いているだろう。
Evan-Wilson-Photography
風 セントアンドリューズ
スコットランドにある
ゴルフ発祥の地「セントアンドリューズ」
この町には世界一難しいと言われるショートコースが存在する。
障害物はバンカーと川のみというシンプルな構造だが、
プレイヤーを翻弄するのは、
向きと強さを頻繁に変える風の存在だ。
マスターズ・トーナメントの創始者も、
生涯で一度だけ棄権をした場所だという。
時に気まぐれな風との戦いになる
セントアンドリューズ・オールドコースは
「神の造ったコース」と呼ばれている。
afagen
温泉の話・セーチェーニ温泉
日本から遠く離れた国ハンガリーは、
ヨーロッパ有数の温泉大国だ。
その歴史は2000年以上、
ローマ帝国時代からと非常に長い。
中でも、ヨーロッパ最大とされる
セーチェーニ温泉には、
日本にはない楽しみ方がある。
それは、風呂チェス。
じつは、ハンガリーはチェスの多面打ち世界記録保持者や
歴史上最強の女性チェス選手がいるなど、
チェス大国でもあるのだ。
水着を着てぬるめの温泉に浸かりながら、
1日中おじさんたちがチェスを嗜む。
しかもそのチェス盤は、
備え付きではなく全て彼らの持参。
好きな場所で好きなことをする、
なんという贅沢だろうか。
Opqr
温泉の話・小浜温泉
2020を前に
いま、日本の温泉がアツイ。
では、日本一アツイ温泉はどこだろうか?
答えは長崎の小浜温泉。
ここの源泉の温度はなんと105℃。
そう、日本で最も放熱量が多い温泉なのだ。
橘湾に面した小浜温泉のお湯はナトリウムがたっぷりで、
保温効果をさらに促進してくれる。
この熱すぎるお湯、実は、舌でもたのしむことができる。
備え付けのカゴに卵やとうもろこしなど好きな食材を入れ、
蒸し釜にセット。
あとは温泉に入りながら待つだけで、
おいしい天然蒸し料理のできあがりだ。
身も心もとびきりあったまる名湯。
人気はまだまだ続きそうだ。
温泉の話・福島の微温湯
お風呂の温度、あなたは何度くらいがお好みだろうか。
ぬるめのお湯にゆったり浸かるのが好きな方に
おすすめしたい秘湯が福島県にある。
その名もずばり「微温湯温泉」。
源泉の温度は約32℃。ある定義によると
25℃以上であれば「温泉」とされるそうだが、
だいぶぬるめ。ゆっくり長湯できるので
居合わせた人との会話も弾む。
趣のある茅葺きの建物の周囲には
高山植物が咲き誇り、秋には紅葉も楽しめる。
冬は、雪で道路が通行止めになることもありお休み。
長い冬を越え、ちょうど今の時期に再開する微温湯温泉。
何百年前からずっと変わらないぬるさと景色の良さで、
旅人の心を温めている。
Nickmard-Khoey-Historical-Archive
温泉の話・パムッカレ・テルマル
トルコ西部にある温泉、
「パムッカレ・テルマル」。
その底にはなんと、
古代ローマ時代の遺跡が沈んでいる。
深いところで水深7mにも及ぶが、
透明度が高く水底の遺跡ははっきりと見える。
水着を着れば、入浴も可能だ。
踏まずには入れないほど、
大理石の柱がごろごろと転がっている。
底に沈むその遺跡は、
紀元前2世紀頃に建てられた都市、
ヒエラポリスの一部。
ローマ帝国の温泉保養地として栄えたヒエラポリスだったが、
度重なる地震によって廃墟となってしまった。
そのうち、かつて水の神様を祀る神殿だった場所に
温泉が溜まってできたのが、パムッカレ・テルマルだ。
ちなみにお湯の温度は少しぬるめで、
ゆっくりと浸かれる。
沈む遺跡に腰掛けながら、
悠久の歴史に思いを馳せるにはぴったりだ。
Ippukucho
温泉の話・川原毛大湯滝
秋田県湯沢市にある「川原毛地獄(かわらげじごく)」
かつては硫黄の採掘場があったところで、
岩肌の至る所から水蒸気や火山性ガスが噴き出している。
古くからの霊場でもあり、
草木も生えず荒涼としたその光景は
まさに地獄さながらだ。
そこから湧いた温泉は沢の水と合流し、
落差20mほどの滝となる。
その名も川原毛大湯滝(かわらげおおゆたき)。
巨大な滝そのものが温泉になっているというわけだ。
ちなみに入浴できるのは滝壺とその周辺だけ。
川原毛地獄に湧き出ている温泉は
高温で危険なためご注意を。
かつて湯沢市のホームページには
こんなおそろしい警告文があったそうだ。
「誤って足を入れたりすると、
生きながらにして地獄を体験することになります。」
Hazel Terry
「レオ・レオニ」 あおくんときいろちゃん
5月5日は、こどもの日。
そして絵本作家、レオ・レオニの誕生日。
誰もが一度は読んだことのある
『あおくんときいろちゃん』の作者。
レオは、はじめて自分の本が発売される日、
開店と同時に本屋に入った。
そして若い母親が本を買ったのを見て、
その絵本の作者であることを告げ、
サインをさせて欲しいと申し出た。
こうして最初の「あおくんときいろちゃん」は
読者の手に渡り、いまでも私たちのもとに
届き続けている。
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