澁江俊一 19年6月16日放送
yoshing_BT2
季節の呼び名
今日は和菓子の日。
「たなぼた」のことわざでも知られ、
昔から日本中で親しまれるぼた餅。
江戸時代から庶民の味だった
ぼた餅の別名は、おはぎ。
小豆のあんこともち米でつくるのは
ぼた餅もおはぎも同じだが
ではなぜ、呼び方が違うのだろう。
どちらも一年でもっとも
あの世とこの世が近づくといわれる
お彼岸で供えられ、食べられる。
そしてお彼岸は春と秋。
つまり春分と秋分の年2回。
春に咲くのは牡丹。だからぼたん餅。
秋に咲くのは萩。だからおはぎ。
どちらも季節の花に見立てた呼び名なのだ。
厳密にいうとその形も
花に合わせていくぶん異なる。
その呼び名にも
季節への想いを込める。
和菓子というのは
なんと風流な食べものだろう。