藤本宗将 19年8月24日放送
SV01改
日本酒の多様性
日本酒のラベルを見ると、
精米歩合という数字が書かれている。
精米とは、酒の雑味をなくすために米粒の周囲を削り、
中心部の心白だけになるまで磨くこと。
大吟醸ともなると50%以下になる。
ついには昨年「0%」の日本酒まで登場した。
正確には0.85% なのだが、
精米歩合は小数点以下を切り捨てるため、0%表記となる。
かかった精米時間は5,297時間34分。
じつに7ヶ月を経てたどりついた究極の大吟醸酒だ。
ところがその一方で、
「低精米酒」というトレンドも生まれている。
大吟醸とは真逆の試みだ。
こちらは精米歩合96%というものまで現れた。
ほぼ玄米に近いが、これもまた旨い。
精米歩合の数字を競う時代は終わった。
日本酒の世界も「多様性の時代」なのだ。