仲澤南 19年8月24日放送
とみたや
松と日本酒
松の木が日本酒を飲む、
という話をご存じだろうか。
東京都葛飾区にある、柴又帝釈天。
ここでは毎年2月頃、
寒肥(かんごえ)という行事が行われる。
境内にそびえる瑞龍松(ずいりゅうまつ)の根元に、
寒い時期の特別な肥料として日本酒を与えるのだ。
一斉にまかれる日本酒に、
辺りにはそれだけで酔えそうなほどの香りが漂うという。
木にお酒とは意外な組み合わせに聞こえるが、
実は日本酒のアルコールと糖分は
松の根を温めるとともに、菌の働きを活発にしてくれるそうだ。
おかげで、瑞龍松は樹齢500年近いにもかかわらず
今でも青々とした葉を茂らせている。
人だけでなく木にとっても、
酒は百薬の長なのかもしれない。
もちろん、適切な量であれば。