T.Kiya
月のはなし 日本の十三夜
夜空に浮かぶ月は、29.5日の周期で変化する。
そのため、昔は、月の満ち欠けがカレンダーだった。
もちろんそれだけではなく、
見上げるたびに変わるお月様の変化を
人々は愛した。
眉月(まゆづき)、弓張り月、下弦の月、…。
月が変わる様子を愛でる名前も美しい。
まんまるいお月様を楽しむ十五夜の風習は、
平安時代に中国から日本へ伝わった。
そしてなぜか、
満月にはほんの少し足りない、
欠けた月を楽しむ十三夜という風習が
日本で独自に生まれた。
変化するもの、完全ではないものに
美と価値を見出す日本らしい楽しみ方かもしれない。