takeokahp
蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)
「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」
二十四節気を五日に分ける七十二侯で、
今日は、秋の虫が戸口で鳴くころ。
古くは、コオロギをキリギリスと呼んだので、
戸口に訪れるのもコオロギ、であろう。
鳴くのは雄。
一匹のときは、「コロコロ」と声を響かせて仲間を呼ぶ。
「チチチ」と短いのは、雄を威嚇する声。
そして、雌への求愛は、低くささやくように。
虫たちの、短い恋の季節である。
takeokahp
蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)
「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」
二十四節気を五日に分ける七十二侯で、
今日は、秋の虫が戸口で鳴くころ。
古くは、コオロギをキリギリスと呼んだので、
戸口に訪れるのもコオロギ、であろう。
鳴くのは雄。
一匹のときは、「コロコロ」と声を響かせて仲間を呼ぶ。
「チチチ」と短いのは、雄を威嚇する声。
そして、雌への求愛は、低くささやくように。
虫たちの、短い恋の季節である。
amika_san
ツヅレサセコオロギ
秋の夜長
リッ、リッ、リッ、リッと鳴くのは
ツヅレサセコオロギ。
つづれは傷んだ着物、刺すは縫う、という意味。
昔の人は、このせわしない声を
「肩させ、裾させ、つづらさせ」と聞きなした。
ほつれた着物を早く縫って冬支度をしろ。
と、せかされる気分だったのだろう。
今よりも、人の暮らしと自然のうつろいは、
ずっと近かった。
アリとキリギリス
イソップ物語、アリとキリギリス。
結末には2種類あるが
キリギリスがアリに食べ物をもらえず死んでしまう、というパターン。
「夏は歌っていたのだから、冬は踊れば?」
キリギリスの頼みを断るアリの一言。
まじめなアリにしては、嫌味も効いてユーモアがある。
キリギリスも黙って死んだりはしない。
「歌うべき歌はすべて歌った。
君は僕の亡骸を食べて生き延びればいいよ」
まさに、一寸の虫にも五分の魂。
両者、自分の生き方に自負がある。
Citron
太宰治きりぎりす
太宰治の短編「きりぎりす」。
貧乏画家だった夫が、
成功し金と名声にまみれる俗人になったのに嫌気がさし、
離婚を切り出す妻。
物語は、
妻が、布団の中で虫の音を聞きつつ終わる。
「この小さい、幽かな声を一生忘れずに背骨にしまって生きていこう」
きりぎりすの澄んだ声に
背筋をただし、俗世と決別するという一般的な解釈だが。
一人寝の夜のきりぎりすの声は
これからの人生の寂しさを示すようでもある。
秋の一夜の物語。
風の花
虫の音と気温
暦の上では、秋の虫が戸口で鳴くころ。
虫が鳴く気温は、30度~15度の間らしい。
暑さがおさまるころ、夜、鳴きはじめ、
秋が深まるにつれ、昼間に鳴くようになる。
まさに、季節のバロメーター。
ところで、日本の平均気温は、
100年あたり約1.2度の割合で上昇している。
暦と季節のずれを感じるのも、無理はない。
漫画家水木しげるは言う。
「虫とか草とかが吐くことばは、地球のことばなんです」
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