古居利康 20年2月29日放送
ijliao
石の声を聴く
サヌカイトという石がある。
叩くと不思議な音がする。
まるで、石が歌っているかのような音。
サヌカイトが生まれた讃岐の国は
空海を生んだ国でもある。
空海が中国から持ち帰った真言密教。
その宗教音楽に用いる
「磬(けい)」という打楽器がある。
通常は金属でつくる「磬」だが、
サヌカイトでつくられた「磬」も
存在するようだ。
遠い昔、弘法大師が
聴いていたかもしれない音。
何万年も眠りつづけて
いま目覚めたかのような、余韻の長い音。
石が声を持っているとしたら、
きっとこんな音だ。