熊埜御堂由香 20年4月26日放送
国立国会図書館デジタルコレクション
お風呂のはなし 湯船の由来
浴槽のことを、湯船とも言うが、その由来をご存じだろうか。
お風呂が一般化したのは江戸時代。
けれどまだ、家にお風呂があるのは一部の裕福な家だけだった。
多くの人は、たらいのお湯で行水をするくらいだった。
元禄時代になると銭湯ができ始めたが
まだまだ数が足りない。
そんなとき、舟に浴槽を積み込んだ移動式銭湯があらわれた。
お湯を積んだ舟だから「湯船」と呼ばれた。
のちに、湯屋と呼ばれる銭湯が増えていくと、
湯船は次第に、姿を消していった。
けれど言葉だけは残って、
なみなみとお湯がはられた浴槽を
私たちは今も、自然と湯船と呼ぶ。
今日は26日、風呂の日。
ひとり湯船に身を委ねたら、空想の世界へ
船旅に出かけてみるのもいいかもしれない。