佐藤理人 20年5月30日放送
ペスト 予言
「異邦人」で有名なフランスの小説家、アルベール・カミュ。
彼の「ペスト」という小説にこんな一節がある。
災厄は自分に降りかかってきたときは
容易に信じられない。人々はいつも無防備だ。
デマ、パニック、買い占め、検査待ちの行列、
医療崩壊、事態を軽視する役人たち。
彼はウイルスに翻弄される人間の姿を通して、
世界がいかに不条理に満ちているかを描いた。
ペストはやがて急速に弱まり、終息を迎える。
人々はすべてを忘れ、元の暮らしに戻っていく。
この騒ぎが終わったあと、私たちは何かを学んでいるだろうか。