危機一髪 上羽絵惣(うえばえそう)の仕事
1751年からつづく、上羽絵惣。
日本画に使う顔料の胡粉をあつかう京都の老舗だ。
10代目を継いだのは、石田結実さん。
実は、家業を継ぐと同時に多額の借金も引き継いでいた。
廃業も頭をよぎったが、職人たちの背中を見て心機一転。
胡粉の持つ1200色もの和の色をいかした、胡粉ネイルを売り出した。
日本ならではの美しいカラーをそろえた胡粉ネイルは瞬く間に大人気。
上羽絵惣の仕事は、絵具屋ではなく、世の中に色を提案する仕事。
そう捉え直したことで、彼女の世界は鮮やかに色づいたのだ。
危機一髪は乗り越えるためにある。