長谷川智子 20年7月11日放送



源氏物語の夏

紫式部作「源氏物語」の主人公、光源氏は
春、夏、秋、冬の名を持つ御殿に、妻や子供たちを住まわせた。

夏の御殿の主人は、花散里。
久しぶりの訪れに恨みごとも言わず
源氏の君の美しさに見ほれるようなおおらかな女性。
その住まいは、「どこもかしこも浮ついたところはなく、気品が漂っている」と
紫式部は書いている。

春や秋に比べ、
平安時代の夏は、静かに暑さをやりすごす穏やかな季節であった。

花散里と光源氏は、男女の仲が絶えた後も信頼し合い、
彼女は彼の子供たちを養育した。古の夏は、大人の恋の季節だったようだ。

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